年初は散々な結果に終わったNVIDIA (NASDAQ:NVDA)の株価は、昨年の強気の勢いを取り戻しつつあるようだ。カリフォルニア州サンタクララを拠点とするこの半導体メーカーは、この1カ月で約13%上昇し、今年最もパフォーマンスの高い半導体株の1つとなっている。NVDAの火曜日の終値は259.31ドルだった。
テクノロジー銘柄に対する広範な売りを背景に、NVIDIA の時価総額は年初来で11.8%減少したあと、足元は反発している。投資家がインフレ率の上昇とサプライ・チェーンの混乱の長期化を懸念する中、NVIDIAのような高位なバリュエーションを有する銘柄(元は市場の寵児)は不安定な状態が続くのが一般的だ。
しかし現在のマクロ環境にもかかわらず、同社が素晴らしい成長を遂げようとしていることを示す多くの兆候がある。
3月22日の投資家向け説明会で、特に人工知能処理とより高速なデータセンター用半導体の新製品と新技術の開発に引き続き注力していくことを明らかにした。
さらに、新しい「Hopper」設計に基づく同社のグラフィックス用半導体は、今年後半には市場に投入される見込みだ。ブルームバーグの報道によると、これらのプロセッサーは、人間の音声を理解するソフトウェアやゲノム研究に使われるソフトウェアの開発を大幅にスピードアップさせることが期待できるという。
50%の収益成長率を達成
Amazon (NASDAQ:AMZN)、Alphabet's (NASDAQ:GOOGL) Google Cloud、Microsoft's (NASDAQ:MSFT)のAzureなどを運営している世界最大のデータセンターのいくつかは、増大するデジタル情報を処理するために必要な人工知能ソフトにNVIDIAの技術を利用している。
NVIDIAは、過去9四半期の平均で50%以上の収益成長率を記録している。この業績により、同社はS&P 500の時価総額上位10社のうちの1社にランクインしている。このようなファンダメンタルズの強さを背景にNVDAは最も投資家に好まれる半導体銘柄の1つとなっている。
過去5年間、同社は常にアナリストの業績予想を上回り、最新の 決算発表を含め、11四半期連続で市場予想を超えてきた。
この素晴らしい実績により、ほとんどのアナリストはNVDAを好意的に評価し続けている。Investing.comが実施した42人のアナリスト調査では、37人がNVDAに買いと評価し、今後12ヶ月の目標株価を342.85ドル、現在の市場価格から32.2%上昇する可能性があると予想している。
出所:Investing.com
Bank of Americaは、最近の分析ノートで、NVIDIAを買うべき最高の半導体銘柄の1つとして挙げている。当分析によると、クラウド販売や人工知能産業に関連する企業が引き続き大規模な成長を遂げることが期待できるとのことだ。
Citibankは最近の顧客向けメモで、2022年の半導体メーカーには、好調なホリデー・ゲーム・シーズン、堅調なデータセンターの需要動向、今年後半のゲーム/ネットワークの供給改善など、いくつかのポジティブな材料があるとみている。
結論
最近の株価上昇は、現在の不安定な取引環境において、同社を買い銘柄リストに入れておくのに最適な半導体銘柄の1つであることを示している。
確かな成長の勢いを持つ同社は、来月もまた素晴らしい業績報告を発表し、成長と収益性の目覚しい結果を示すと思われる。