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ディズニーは、ストリーミング・アプリの加入者数の伸びが鈍化するとの懸念から、下落圧力がかかっている状況
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株価が下落しても、他の部門が堅調であることから、多くのアナリストが買いのチャンスとみている
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ディズニーは、株価が大きく下落しても、業績が回復している銘柄の一つ
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テクノロジー関連株の暴落が続く中、長期的に魅力的な株をみつけるのは難しい。投資家は、10年にわたる好業績と株価の高騰が終焉を迎えたという厳しい現実を、早くも目の当たりにしているのだ。
多くのハイテク企業が人員削減や採用活動の減速を発表し、中には成長予測を下方修正し、事業拡大計画を一時中止した企業もある。このような期待の喪失は、かつて隆盛を誇ったストリーミング・ビデオの分野でも顕著であり、一部の大手企業は新規顧客の獲得に苦戦している。
世界最大のエンターテインメント企業であるウォルト・ディズニー・カンパニー(NYSE:DIS)の株価は、過去2年間に目覚しい伸びをみせたストリーミング・アプリ「Disney+」の登録者数が減速するとの懸念から、今年に入って約30%下落した。
Netflix (NASDAQ:NFLX)が4月に加入者数の予想外の減少を発表して、市場に失望感が漂い、今四半期にはさらに厳しい損失を予測したことから、投資家はすでにこのセグメントの成長鈍化を予想している。この鈍化により、ストリーミング業界のリーダーである同社は方針を転換し、広告を含む低価格版のサービス計画を発表することを余儀なくされた。
ディズニー社の株価が少なくとも47年ぶりの大幅下落に向かうなかでも、多くのアナリストは暗い未来を予想しておらず、ライバルのネットフリックスの株価を押し下げたストリーミング・ビデオの加入者減少を避けられると楽観視している。
44%の株価上昇余地
Investing.comが集計したアナリスト30人の予想をみると、大部分は「買い」と評価している。.
出所:Investing.com
調査対象者の間では、株価は44.21%の上昇余地があり、12ヶ月の平均目標株価は156.71ドルとなっている。
また、強気筋はネットフリックスとは違って、ディズニーのストリーミング・サービスには成長余地があるとみている。ディズニーはストリーミング事業のほか、テーマ・パーク事業やリゾート事業も手掛けており、これらは直近のコロナ禍から低迷から回復すると期待されている。
直近の四半期では、同社の主力ストリーミング・サービスであるDisney+が予想を上回る成長を遂げたと発表している。同サービスの加入者数は全世界で1億3770万人となり、前年同期比33%増となった。この増加は、過去3ヶ月間の拡大幅よりは小さいものの、市場予想である1億3440万人を上回っている。
また、テーマ・パークの売上も好調に回復している。同社のリゾート部門の収益は、ホテルやテーマ・パークに客が戻り、昨年の赤字から17億6千万ドルに増加した。この傾向は、夏の間、さらに加速するだろう。
クレディ・スイスによると、ディズニーは割安株の一つで、今年になって収益が増加しているにもかかわらず大きく下落しており、現在の株価水準では魅力的にみえるという。
実際、株価は過去1年間の高値から40%以上下落しているが、同社のEPSは46.3%急増している。
「ここ数ヶ月の株価の激しく不均一な下落を考えると、セクターやポートフォリオの特性(ファクター)のバリュエーションは劇的に変化しており、極端な状態から正常な状態に戻ったものもあれば、依然として市場に対して大幅なディスカウントまたはプレミアムを示しているものもある。要するに、市場の混乱が投資機会を作り出している。」
Needhamは先週のメモで、ディズニーのテーマ/パーク部門に特に強気であると述べている。
「テーマ・パーク部門では、米国における収容人数の増加と一人当たりの消費額の増加による収益と営業利益の改善余地、およびパリと東京のテーマ・パークにおける前回予想よりも好調な業績が見込まれる一方、上海における閉鎖により一部相殺される。」
結論
グロース株の大半を苦しめている非常に不透明なマクロ環境を考えると、ディズニー株がここからどの方向に進むかを予測するのは困難だ。
しかし、1つだけはっきりしていることは、ディズニーは多様なビジネス・モデルにより、多くのライバル企業よりも景気後退を乗り切るのに非常に有利な立場にあり、コロナ禍が改善すれば、早急に回復することができるかもしれない。
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