160円を前に高まる介入警戒 ― 円安の背景は「悪い金利上昇」

発行済 2026-01-19 19:58
1月12〜16日の週、為替市場では円安が進行し、ドル円は一時159円台半ばまで上昇した。背景には、米雇用統計の堅調な結果を受けたドル買いに加え、日本の衆議院解散総選挙報道を受けた円安がある。その後、片山財務相が「投機的な動きには適切に対応する」と発言したことで、介入が意識され、ドル円は一時158円台前半まで下落したが、依然として160円が意識される展開となっている。
 
円安基調の背景には、マイナス圏にある実質金利がある。高市政権による「責任ある積極財政」がインフレ期待を押し上げる一方、名目金利の上昇が追いつかず、実質金利の低下を通じて円安圧力となっている。さらに、長期金利の上昇は国債の需給悪化を嫌気したタームプレミアム(国債の価格変動リスクに対する対価)の拡大が要因とされ、“悪い金利上昇”として円安方向に作用している。タームプレミアムの拡大の背景は、日銀による国債買い入れ減額(量的正常化)や国債増発観測である。
 
一方、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場で日本国債のスプレッドは安定しており、財政不安を背景とした円売りではないことが確認できる。過去の為替介入時には、当日の円高幅は3〜5円にとどまっており、今回も円高へのトレンド転換は想定しにくい。
 
米国では、労働市場の悪化に歯止めがかかってきた。12月の雇用統計では失業率が低下し、平均時給も上昇した。また、ダラス連銀のウィークリー・エコノミック・インデックス(WEI)も前年比+ 2.5%成長と、景気の底堅さを示している。これらを受けて、市場ではFRBによる年内2回程度の利下げが意識されている。
 
日本では、12月の全国消費者物価指数(CPI、予想2.8%)と衆院選の情勢が注目材料となる。為替市場では160円台をめぐる攻防が焦点となり、介入への警戒感を背景に高値圏での不安定な推移が続く可能性がある。
 
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