3日の欧米株式市場は総じて堅調に推移した。ギリシャが債務減免の要請を撤回するとの観測を背景に主要な欧州株式は序盤より買い優勢で推移。1月25日の総選挙後、下落トレンドを辿っていたギリシャのアテネ総合指数もこの日は11%上昇した。また、堅調な欧州株式に加え原油価格が大幅に反発したことも合わさり、米国株式では主要3市場がそろって1%以上の上昇となった。
海外の円相場はクロス円を中心に円売り優勢の展開となった。豪中銀(RBA)のサプライズ利下げにより89.37レベルまで急落した豪ドル円だったが、堅調な欧米株式や原油価格の急反発を背景に一気に91.80レベルまで急伸。ギリシャリスクの後退を背景にユーロのショートカバーが強まったことで、ユーロ円は133.10レベルから一気に135円台を回復。高値135.20を付けた。ドル円はクロス円の上昇にサポートされるかたちで117円台を維持した。ただ、ユーロドルに見られるように世界的なドルロング調整地合いが圧迫要因となり、117円後半で上値が抑えられたまま、本日の東京時間を迎えている。
高まる原油価格の底入れ期待とギリシャリスクの後退。リスク選好へ回帰する材料は徐々に揃いつつある。回帰を促す最後のピースは米指標データだが、ここにきて冴えない内容が続いている点は新たな懸念材料として注視しておきたい。昨日はブラード米セントルイス地区連銀総裁が、金融政策に柔軟性を持たせるために連邦公開市場委員会(FOMC)声明に新たに盛り込まれた「忍耐強い」との文言を削除すべきとの考えを示した。金融政策に柔軟性を持たせる、これは言い換えれば将来の不確実性にいつでも対処できるスタンスで臨む、ということだが、タカ派寄りの同総裁からこのような発言が飛び出すということは米国外のリスク要因が米経済に及ぼす負の影響を懸念していることの表れだろう。
よって、今日以降の米指標データが総じて冴えない内容となれば、米利上げが6月以降に先延ばしになるとの観測がマーケットで台頭し、対ユーロをはじめドルロングの調整地合いをさらに強めよう。また、米株での「1か月調整パターン」も崩れることで、円買い圧力も強まろう。逆に原油価格の反発とギリシャリスクが後退しているタイミングで米指標データが米株反発の要因となれば、円売り圧力を強めよう。ドル相場は米金利の動向次第だろう。「株高オンリーのリスク選好」状態ならば、ドルロング調整地合いが継続することでユーロ、資源国そして新興国通貨は対ドルで堅調に推移しよう。逆に米金利の上昇幅が拡大するならば、ドル高へ回帰しよう。
<テクニカル分析-ユーロドル、21日MA突破なるか>
レジスタンス
1.1642:一目/基準線(赤ライン)
1.1600:オファー
1.1531:21日MA
サポート
1.1400:サポートポイント
1.1360:ビッド
1.1333:10日MA
1.1300:ビッド、下にストップ
1.1290:ストップ
短期レジスタンスラインの突破に成功。次の焦点である21日MA(緑ライン)の突破にも成功すれば、さらにユーロのショートカバーは継続しよう。
一方、下値は10日MA(黄ライン)の維持が焦点となろう。 このMAを下方ブレイクする展開となれば、ストップハンティングの動きが加速しよう。ただ、世界的なドル売りトレンドを考えるならば、短期的には上値トライを想定したい。現時点で、目先の上限は1.20レベルを想定している。
尚、直近のオーダー状況だが1.1600&1.1650レベルにはオファーが観測されている。ビッドは1.1450-1.1300で断続的に観測されている。