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Daily Commentary - 09月30日2013年

発行済 2013-09-30 17:10
更新済 2019-12-18 20:45
概観

別々の危機がこのように同時に発生するのを、私はほとんど見たことがない。米国では、何か奇跡が起きない限り、政府がまさに現地時間夜中に閉鎖しようとしている。10月17日に資金が底をつく時刻までに債務上限を引き上げるという合意に達する可能性は多少なりともあるのだろうか?わからない。欧州では、ベルルスコーニ前首相が同陣営の閣僚を辞任させたことを受け、イタリア政府は崩壊寸前にある。レッタ首相は、自らの政権を救い、新たな選挙の必要性を避けようと、10月2日の信任投票を要求すると語ったが、その一方で、ドイツのメルケル首相も連合を維持しようとしているなかで、このことが大西洋側でも不透明感に拍車を掛けている。日本では、同国の長期的な財政問題を解決するために、短期的なデフレの影響を相殺するための刺激策を伴った5%から8%への消費税の引き上げ実施を発表する計画である。

こうしたリスキーな背景から、USDが、通常G10通貨の中で「リスクオフ」取引とされている対CHFと対JPYで下げて始まっていることに意外性はない。USDは対AUDと対SEKで上昇したが、大半の新興市場通貨もまた高ベータ取引として再び下落した。金曜日に、EURに対するプラス材料がないにも拘わらず、EUR/USDがどれほど上昇したかという点に留意してほしい。これは、おそらくスイス国立銀行(SNB)のEUR/CHFに対する為替介入によるものであったとみられる。SNBが、USD/CHFではなくEUR/CHFの下落を遅らせるにつれ、EUR/USDは自然と上昇する。私の見解では、安全資産という意味でのCHFとJPYへの資金流入が続くと予想されることから、本日はこれと同じ影響により、EUR/USDが押し上げられる可能性が高いと考えられる。

こうした政治的問題に加え、今週は経済イベントも目白押しである。焦点は、3つの中央銀行の金利決定(火曜日はオーストラリア、水曜日はユーロ圏、金曜日は日本)と、火曜日の日銀の短期経済観測(日銀短観)に加え、各国からの製造業PMI指数、そして(政府が閉鎖しなければ)金曜日の米国非農業部門雇用者数(NFP)であろう(もし政府が閉鎖すれば、NFPはおそらく遅れるであろう)。

多くの動きが、欧州の夜に生じるだろう。日本の第3四半期の短観は、大企業製造業のDIが4から7に上昇すると予想され、第4四半期に対する予想は10になると予想される。これは、日本で、期待感が後退している兆候である。すなわち、6月の短観が発表された際、9月の予想は10であった。しかし、短観によるマイナスの影響が、刺激策によるプラスの影響を凌駕するのかどうか、あるいは、日本または世界的要因がJPYの取引を本当に支配しているのかどうかを見極める必要がある。私は、世界的要因が権勢を振るうとみており、JPYは国内的要因に拘わらず、一時的に上昇する可能性が高いとみている。

次はカナダの公的な製造業PMIである。同指数は、51.0から51.6へ上昇すると予想されるが、HSBC/Markit製造業PMIは、今朝、わずか0.1の上昇に留まり、50.2となったと発表された。再び上昇幅が限定的となったことで、AUDに対する下方圧力は続くだろう。

そしてRBAが会合を持つ。金利の変更を予想する者はいないが、むしろ焦点は、彼らのバイアスにおける何等かの変化が、声明に盛り込まれるかどうかであろう。9月の会合では、声明が、それまで含まれていた「さらなる緩和政策を実施する余地」という文言を削除したため、市場は、RBAが中立スタンスにシフトしたと考えるようになった。しかし、会議の議事録は、メンバーが「同行は再び、さらなる利下げの可能性を排除したわけでも、差し迫った利下げの意図を示すわけでもない」ということに同意したことを明らかにした。このことは、彼らは、緩和バイアスを維持したが、金利引き上げについて言及することもなかったということを裏付けた。為替レートの一層の低下が「役立つ」というコメントも、依然として緩和方向に傾いていることを示した。AUD/USDが9月の会議前に0.90から0.93へと若干上昇していることに鑑み、彼らは、為替レートに関してさらにコメントすることができたのである。AUDは、会議を前にして、低下しており、「噂で売って、事実で買え」という反応が生じる可能性もあるが、私は、RBAが緩和バイアスに関して何等かの明確な発言を行うとみており、これによりAUDはさらに低下するとみている。

本日の欧州と米国に関しては、ユーロ圏では、9月のCPIが前年比1.3%から1.2%に鈍化すると予想される。これは、ECBの目標レートを大幅に下回る水準であるが、(まだ)デフレを心配するほどの鈍化ではない。ドイツの8月の小売売上高は、7月の前月比-0.5%(修正後)から一転、前月比0.8%の上昇が予想される。英国の8月の住宅ローン申請件数は、6万600件から6万1千件に増加すると予想される。本日遅くには、カナダの7月のGDPが、6月の前月比-0.5%から一転、前月比0.5%の上昇に転じると予想される。米国では、9月のシカゴ購買担当者指数が、若干上昇すると予想される(53.0から54.3へ)。その後まもなく、ダラス連銀製造業指数が発表される予定であるが、予想は提示されていない。

マーケット

EUR/USD

• 金曜日、EUR/USDは上昇したが、月曜日の欧州セッションは、弱気なギャップで始まった。9月18日以来、同ペアは、短期的には、1.3461(S1)のサポート水準と1.3564(R1)のレジスタンスの間の保ち合いレンジ内で推移している。RSIオシレーターもMACDオシレーターも、中立的水準にあり、価格動向が調整局面にあることを裏付けている。このため、私の見解では、同ペアの次の方向性を見極めるためには、この保ち合いレンジを明らかに突破するのを待つべきであると考えられる。

• サポートは、1.3461 (S1)、1.3400 (S2)、1.3321 (S3)に認められる。

• レジスタンス水準は、1.3564(R1)に存在し、1.3655 (R2)と1.3706 (R3)がこれに続くだろう(日足チャート)。

USD/JPY

• USD/JPYも、弱気なギャップでこのセッションを始め、97.87水準(金曜日のサポート)を下方突破した。本原稿執筆現在、レートは、この水準を若干下回る水準に留まっており、弱気筋が充分に強く、彼らがこのモメンタムを続けることができれば、充分に試された97.00(S1)を目指すことになると予想される。MACDオシレーターは、ゼロ水準もトリガーラインも下回っているため、この考えを支持している。その上、青色のトレンドラインと、20期間移動平均が200期間移動平均を下回る弱気なクロスによって裏付けられており、同ペアの短期的トレンドは、下落トレンド(高値の低下と安値の低下)に反転したとみられる

• サポート水準は、97.00 (S1)に存在し、96.38 (S2)と95.81 (S3)がこれに続くだろう。

• レジスタンスは、97.87 (R1)に認められ、98.53 (R2)と99.15 (R3)がこれに続くだろう。最後の一つは、週足チャートに見出される。

EUR/GBP

• EUR/GBPの欧州の朝も、下方へのギャップで始まり、0.8356(金曜日のサポート)水準を下方突破した。現在、同レートは、この水準をわずかに下回る水準で取り引きされており、売り圧力が同ペアを下方へ押し続ければ、短期的安値の更新に向けたエクステンションが生じるだろう。20期間移動平均が200期間移動平均を下回り、MACDの値がマイナスでトリガーも下回っていることから、当社の分析は、同ペアの弱気な趨勢を裏付けている。

• サポート水準は、0.8319 (S1)、0.8273 (S2)、0.8224(S3)に認められる。全て、日足チャートに見出される。

• レジスタンスは、0.8356 (R1)に見出され、0.8418 (R2)と0.8462 (R3)がこれに続くだろう。



• 金は、金曜日の取引の間上昇し、1335のレジスタンス水準(現在のサポート水準)を上方突破した。欧州時間午前中の早い時間に、金はこの水準を若干上回った。ロング派がどうにかこのモメンタムを維持することができれば、次のハードルである1368(R1)に向けた攻防を繰り広げることになるだろう。MACDオシレーターは、ゼロ水準を上回り、強気なモメンタムを示唆している。

• サポート水準は1335(S1)に存在し、1316(S2)と1291(S3)がこれに続くだろう。

• レジスタンスは、1368(R1)に認められ、1394(R2)と1415(R3)がこれに続くだろう。

原油

• WTIはどうにか重要な障壁である102.23(金曜日のサポート)を突破し、現在、100.72(S1)のサポート水準に向けて推移している。この水準を下方突破すれば、99.18(S2)の障壁を目指すだろう。その上、20期間移動平均が200期間移動平均を下回っており、MACDもマイナスの数値を示していることから、下方バイアスの継続の可能性が高まっている。

• サポート水準は、100.72 (S1)、99.18 (S2)、98.00 (S3)に存在し、日足チャートに認められる。

• レジスタンス水準は、102.23 (R1)に存在し、103.53 (R2)と104.40 (R3)がこれに続くだろう。

通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者

マーケット概要

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