大きく儲けられる可能性がある株式投資に多くの人が魅力を感じる一方、投資に確実な方法などはない。ファイナンシャル・アドバイザーや銀行は株式投資を進めるが、それは顧客を獲得するのが目的である。
もちろん善意のある専門家もいるかもしれないが、短期間で不可能なリターンを約束して資金を持ち逃げする詐欺師もいるのも事実だ。
株式投資を通じて、ミリオネアになれる可能性はどれくらいあるのだろうか?今回は100万ドルを獲得するために必要な時間や、初期投資に必要な金額を検討する。
一般人がミリオネアになれるのか?
まず、米国の代表的な株価指数であるS&P 500のパフォーマンスに焦点を当る。今回は全ての配当を株式市場へ再投資すると仮定する。
次に、過去のデータに基づいて、株式市場のリターンを推定する必要がある。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示すものではないが、今回は過去のパフォーマンスを使用する。
最後に、今回は税金を考慮に入れないことにする。また、100万ドルは名目値ではなく、インフレ調整を加えた実質値で検討する。
年平均成長率で単純計算
過去70年間において、S&P500の年平均成長率(CAGR)は、インフレ調整を加えて配当を全て再投資すると仮定すると7.56%になる。
この成長率に基づいて、3つの変数によってどれだけ早く100万ドルを獲得できるかを計算してみよう。3つの変数とは、初期投資金額、追加の年間投資額、年数である。
1000ドルの初期投資と7.56%の年平均成長率を仮定すると、100万ドルを到達するには95年かかる計算になる。たった1000ドルの投資でミリオネアになれるるのであれば、それはそれで良いかもしれないが、時間がかかりすぎである。また、10000ドルの初期投資であれば、64年かかる計算になる。これもまた、時間がかかりすぎていると言えるだろう。
いくら投資すれば良いのか?
まず、10年、20年、30年、40年などのキリの良い期間でミリオネアになるためには、初期投資はどれ程必要なのだろうか。
10年以内でミリオネアになるためには485000ドル、20年以内であれば235000ドル、30年以内であれば115000ドル、40年以内であれば55000ドルが初期投資として必要であることが計算してわかる。
次に、少額の初期投資に加えて、毎年一定額を投資するケースを検討しよう。
1000ドルを初期投資して毎年1000ドル(毎月83ドル)を投資すると仮定すると、ミリオネアになるには58年かかる計算になる。同様に、10000ドルを初期投資して毎年3000ドル(毎月250ドル)を投資すると仮定すると、ミリオネアになるには41年かかる計算になる。
では、初期投資をせずに、毎月一定額を投資するケースを検討しよう。毎月1000ドルを投資すると仮定すると、ミリオネアになるには27年かかる計算になる。つまり、27年間で324000ドルを投資して、726000ドルを株式市場からリターンとして得たということだ。また、初期投資として100000ドルを投資していた場合、さらに7年短縮して20年でミリオネアになることができる。
最後に、100000ドルの初期投資に加えて、毎年25000ドルの投資を行った場合、丁度15年でミリオネアになることができると分かった。
まとめ
以下が今回検討した全てのケースである。
株式投資によってミリオネアになることは可能ではあるが、時間はかかるようだ。富を築くのに近道は存在しないのだ。当然のことながら、より多くの資金をもっていれば、目標の金額までより早く到達できる。