週明けの原油相場は敢え無く反落。
下のWTIチャートを確認すると、昨年8月下旬の反発の時は、標準誤差回帰分析バンドの上限までショートカバーが進行した。しかし、今回は中心線すらトライできずにいる。これらの値動きは、今年に入り過剰供給懸念がより市場で意識されていることを示唆している。
その原油相場は、3月のOPEC総会で大幅減産で合意がなされるかどうかを確認するまで低空飛行が継続しよう。よって、グローバル株式市場も上下に振れる不安定な状況が継続しよう。そして外為市場は、これら市場にトレンドが振り回されるだろう。
【WTI日足チャート】 標準誤差回帰分析バンド
出所:Thomson Reuters Eikon
原油相場の早期安定化に期待できない以上、目先、リスクセンチメントの改善材料として注視すべきは日米の金融政策であることは指摘済み。
本日より今年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、焦点は海外リスクに対する警戒レベルにあろう。日欧の協調緩和期待が台頭しているこのタイミングでイエレンFRBが警戒レベルを引き上げ来た場合、国際商品市場では米利上げペースの減速観測が意識される可能性が高いだろう。原油相場をはじめとした資源価格が上昇すれば、1月中旬以降国際商品市況との相関性が急速に強まっているグローバル株式も一時的に安定化することで、外為市場ではリスク選好のドル&資源国通貨買い / 円&ユーロ売りの展開となろう。
上記のシナリオが崩れるとしたら、日欧の協調緩和期待が一気に後退する事態、つまりFOMC後の金融政策決定会合で黒田日銀が「無回答(=追加緩和なし/ 追加緩和シグナルもなし)」となった場合だろう。この場合、外為市場では円高圧力が再び強まる展開が想定される。
【比較チャート】青ライン:グローバル株式(MSCI) 赤ライン:国際商品市況(CRB)
出所:Thomson Reuters Eikon / MSCI