13日のグローバル株式市場は強弱まちまちの展開となった。欧州中央銀行(ECB)による緩和強化期待を受け主要な欧州株式は全面高となった。対照的に、米株は止まらない原油安を背景に3日続落。主要な新興国株価指数も総じて上値の重い展開となった。不安定な米株と原油価格の動向を受け米金利では低空飛行が継続。「米株安+金利低下」を背景にドル円は117.54レベル(ボリンジャーバンド下限)まで下落。クロス円も総じて円高優勢の展開となった。
オセアニアタイムでは下げ止まりの感が見えた円相場だが、グローバル株式市場が不安定化する中戻りは弱くドル円は117.80前後、ユーロ円は138.80前後でこう着したまま本日の東京時間を迎えようとしている。
ECBのクーレ専務理事は、今月22日に開催される理事会で国債買い入れプログラム導入の可能性について言及(13日付の独紙ウェルト)。ECBが日銀に追随する可能性が極めて高くなったことでイエレンFRBの利上げに向けたハードルは一段と低くなったと言えよう。これは米金利変動リスクの後退要因であり、且つ株高維持の重要な要素でもある。
とはいえ、目下現在のリスク回避ムードが後退する兆しは見えない。ではこのトレンドがいつ終息するのか。その鍵を握るのは米株の反発だが、過去2年のダウ工業株30種平均の調整局面を振り返ると、長くても1か月前後(2013年:5/28-6/24日、8/2-8/27日、9/18-10/8日、2014年:1/2-2/3日、7/17-8/7日、9/19-10/15日)の調整を繰り返しながら長期上昇トレンドを維持してきたことがわかる。今回の調整が始まったのが1月上旬。上記の経験則を照らし合わせるならば、1月中は調整相場が継続し、反転は2月上旬前後ということになろう。
この2月というのはギリシャ情勢を見極める上でも非常に重要な時期である。1月25日の総選挙後、遅くとも2月の半ばまでには新内閣が発足されよう。トロイカ側から2月28日以降(2月末までの金融支援は獲得済み)も金融支援を受け続けるためには、結局ギリシャ側が緊縮政策を受け入れざるを得ないだろう。米株の調整終了とギリシャリスクの下火が重なる可能性の高い2月上旬以降(遅くとも2月中旬までに)、グローバル株式市場は再び騰勢を強め、それに伴い円相場も円安トレンドへ回帰すると想定している。
< テクニカル分析-ユーロ円、リトレースメント76.40%>
レジスタンス
140.28:200日MA (赤ライン)
140.00:レジスタンスポイント
139.50:レジスタンスポイント
139.00:レジスタンスポイント
サポート
138.32:1月13日安値
138.10:ボリンジャー下限(σ:-2.0、MA:21)
138.00:厚いビッド
137.79:リトレースメント76.40%
日足の一目/雲でレジストされ、200日MA(赤ライン)&リトレースメント61.80%を下方ブレイクした事実を鑑みるに、さらなる下落を想定したい。目先の焦点はビッドが観測されている138円台(ボリンジャー下限)の維持だが、テクニカル面では2014年高値からの76.40%戻し137.79レベルの攻防となるかが注目される。
一方、上値は目先、200日MAがレジスタンスラインとして上値を抑えるかどうかが注目される。