先週の金市場は、東京とNYともにあまり動かず、レンジ相場になっています。
東京は、4340~4455円のレンジで動いています。
NY金は、1260~1306ドルのレンジ取引です。
レンジでの動きでトレンドが出にくい背景には、やはり投機筋の買いの積み上がりがいっぱいまで来ていることが挙げられます。
CFTCの投機筋のポジションを見ると、依然として買いが1200トンを超えています。
米国の金融政策は緩和を継続し、利上げはあっても年1回との思惑が台頭、この思惑により金市場の積み上がりは維持したままになっています。
既に買いがいっぱいで、新たな買いの積み上がりは難しいものの、手仕舞いも起きない状況で、金市場はレンジの動きに終始しているのです。
しかし、東京とNYでは、レンジの中でも直近の動きが異なります。
NY金が下値切り下げである一方で、東京は下値切り上げです。
これは、為替ドル円の影響です。
直近のドル円は、105円台から109円まで戻してきています。
これが直近の東京円の上昇の動きの原因でした。
今後の展望
しかしながら、この為替の戻りは長続きしない可能性があります。
ドル円チャートを見ると、一目均衡表の基準線・転換線を上に抜けた後、再び下に割り込むと一気に円高が進むというパターンが続いています。
今回も基準線・転換線を上抜いた後、動きが重くなっており、再び円高に振れる可能性があります。
また、NYダウのチャートからも懸念が見られます。
下は60分足のチャートです。
これまでの上昇トレンドが終わり横ばいになった後、現在は直近安値を割り込むなど下落を伺う勢いになってきています。
仮に、下落となれば、金融市場はリスク回避の動きになり、為替は円高になるでしょう。
結論
東京金は、目先はもみあいが続くと見ていますが、中期的には投機筋の積み上がりが解消される動きが始まり、下落局面を迎えるでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
セミナーも定期開催中。