ECBはフランクフルトで定例政策委員会を開き、下限政策金利である中銀預金金利をマイナス0.1%とすることを決めた。主要政策金利である短期買 いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利も0.1ポイント引き下げ0.15%とした。上限金利の限界貸出金利は0.4%に引き下げ た。 ドラギ総裁は、中期的な物価見通しの悪化は広範な資産購入を正当化するだろうと発言していた。ユーロ圏のインフレ率は8カ月にわたりECBが目安とする水 準を下回っており、この日公表されるECBスタッフの最新経済予測によっては、そうした資産購入が現実となる可能性もある。直ちにQEを発表する公算は小 さいものの、選択肢を残し、実践上の困難を乗り越える道筋を示唆する公算がある。
同日の欧州株は上昇し、ストックス欧州600指数は約6年ぶり高値を付けた。米国市場では、Dow業株30種平均やS&P 500種株価指数が最高値。
銅(COPPER)先物相場は安。
原 油先物相場は続落。ガソリンやディーゼル油の先物が買われるなか、製油マージン上昇期待で北海ブレント原油は5営業日ぶりに上昇。ウェスト・テキサス・イ ンターミディエート(WTI)に対するプレミアム(上乗せ幅)が拡大した。金先物相場は反発。3週間ぶりの大幅高となった。欧州中央銀行(ECB)が前例 のない緩和政策パッケージを発表したことが背景。ただ、ボラティリティ低迷からの回復には至らなかった。