NY金相場は、タカ派なFOMC議事録を受けて、6月~7月に利上げがあるのではとの思惑で急落しました。
チャートをみると一目均衡表の雲が抵抗帯で戻り上限になり、下落しているのがわかります。
5月後半から相場は横ばいになり、今度は6月3日発表の弱気な雇用統計結果を受けて上昇に転じました。
投機筋の動向をみると、1000トンあった買い越しの数字が800トン前半まで減少しており、これが相場の下げの要因になっていました。
ただし、最新の数字(6/7)では800トン後半まで買い越しが増加して、その後もNY市場では取組高が増加しながら価格が上昇しており、投機筋の買いがさらに増えて900トン台になっている可能性があります。
弱気な雇用統計結果から6~7月の利上げはないとの思惑、そして6/23英国のEU離脱を問う国民投票が金融市場のリスク要因になったことから、金に買いが入りました。
NY金相場は、これらの要因から上昇トレンドは継続ですが、投機筋の買いはまた膨らんできており、注意が必要です。
東京金は、NY金の上昇があっても為替の円高で相殺されて、上値は50-60円ほどの上昇で抑えられるでしょう。
東京金は高値警戒感をもちたいところです。
短期・中期の投資戦略
今週はFOMCを控えています。
6月は利上げはないでしょうが、7月は利上げの含みを残した文言になるでしょう。
また、英国の国民投票の動向にも注意です。
市場は思惑で大きく変動しやすいため、思わぬ高値、安値がつく可能性があることを踏まえて戦略を立てる必要があります。
戦略としては、
短期的には高値警戒で相場は調整安になるでしょう。
このため上値を売っていくのが良いと思われます。
ただし、中期的にはこの調整安は買い場になります。
長期的展望としては金は強気です。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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