AIチャットボットに「Nvidiaは今が買い時か」と質問してみる。ChatGPT、Gemini、Claudeのどれでも構わない。
答えはすぐに返ってくる。しかも、完全に確信しているような口調で返ってくる。自信があるように聞こえること、それだけはAIが決して外さない。だが、その回答のどこにも、根拠となる数字が正しいかどうかは示されていない。そこで別のタブを開き、一つひとつ確認していく。ようやくその答えを信頼できると思えた頃には、結局は自分でリサーチを終えている。
2026年8月、私たちはInvesting.comのユーザー896名を対象に、まさにこの点についてアンケートを実施した。
75%がすでに投資リサーチにAIを使っている※。ただし「何が問題か」という設問で最も多かったのは、数字の誤りでもデータの古さでもなかった。「正しいかどうか判断できない」が40%で最多だった。
さらに回答者の86%が、AIが示した数字を別のソースと照合してから行動に移すと答えている。正しそうに聞こえる答えと、正しい答えは別物だ。投資家はそれを身をもって学んできた。
WarrenAIは以前から、Investing.com独自の検証済みマーケットデータを回答に使ってきた。年間数百万ドルを投じて購読しているデータフィードで、機関投資家のトレーディングデスクに情報を供給するのと同じプロバイダーと契約している。
多くのチャットボットはこうしたデータを持たない。そのためウェブをスクレイピングし、拾った情報が最新であることを期待するしかない。自信はデータソースにはならない。検証済みのマーケットデータこそがデータソースだ。
では、新しくなったのはどこか。Analyst 2.0は回答を出す前に、最大10回にわたって自分の作業を検証する。データソースが信頼できるというだけでなく、適切なデータが適切な推論のもとで使われているという確度が一段と高まる。
数字が未確認のまま残っていたり、質問の一部にまだ答えられていなかったりする場合は、データの取得に戻る。
難しい質問では、最初の一文が表示されるまでに、この工程が10回繰り返されることもある。それでも確認できない点があれば、空白を埋めにいくのではなく、確認できなかったと回答の中で明示する。
このAnalyst 2.0モードには十分な手応えがあり、新しいデフォルトに設定した。利用料は従来どおり、1問につき1クレジットだ。
送信ボタンを押した後に起きること
たとえば、WarrenAIに「Nvidiaは投資対象として魅力的か」と質問したとする。
新しいAnalyst 2.0モードでは、まず調査計画が示される。
WarrenAIがアクセスできるのは、Investing.com上の14のライブソースだ。財務情報、アナリスト目標株価、ニュース、テクニカル指標、株式スクリーナーなどが含まれる。回答をつくる前に、その質問に実際に必要なソースを絞り込む。
次に、調査がループ形式で実行される。各ループで行うのは、いつも同じ3つの作業だ。ツールからデータを取得し、返ってきた内容を読み取り、まだ足りない情報を洗い出す。
配当利回り5%超、PER10倍未満の米国ヘルスケア銘柄を検索したのに、スクリーナーが何も返さなかったとする。この場合、次のループでは利回りの条件を4%に下げて再検索し、実際に検討できる企業が見つかるまで繰り返す。
各工程は「スクリーナーを実行」「財務情報を取得」「ニュースを確認」といった短い一行として画面に表示される。行をクリックすれば展開され、実際に取得したデータを確認できる。
全体を通して守られるルールが一つある。時間の影響を受ける情報は、すべてユーザーが待っている間に行ったリアルタイムのデータ取得によるもので、学習データから呼び出したものは一つもない。新モードが旧モードよりやや時間がかかるのはこのためで、最終的に届く回答がすでに検証済みなのも同じ理由による。
比較:同じ質問に対する旧モードと新モードの回答
投資の質問でAIを使うとき、最も難しいのは、答えが間違っていることではない。正しいかどうかを自分で確かめられないことだ。そこで、その違いを目に見える形で示す。
2026年7月、原油価格が下落する中、旧WarrenAIモードと新Analyst 2.0モードに同じ質問を投げかけた。「この状況で恩恵を受けるエネルギー株と、不利益を被るエネルギー株はどれか」
両者が使えるデータは同じだった。それでも、返ってきた回答は同じではなかった。
| 旧モード | WarrenAI Analyst 2.0 | 違い | |
|---|---|---|---|
| 一行で答えると | 「本日上昇しているエネルギー株はこちらです」 | 「上昇しているエネルギー株はごく一部です。どの銘柄が、なぜ上がっているのかを説明します」 | 一方はその日の値動きを列挙したのみであった。もう一方は、原油安が業態ごとにどう影響するかを説明した。 |
| 挙げられた銘柄 | Centrus Energy(同日7.5%高)。インデックス変更を受けて上昇したウラン企業で、原油とは無関係 | バレロとマラソン 。原油を買い入れる精製企業で、バレル価格が下がれば売るすべての製品の利益が増える | 一方はその日に上昇していたエネルギー株を挙げた。もう一方は、原油安を理由に上昇している銘柄を挙げた。後者のリストのほうが短い。 |
| 提示されたフォローアップ | 「配当利回りを並べて比較しますか」 | 「精製企業は年初来65%上昇し、アナリストが見込む水準に近づいています。次はパイプライン運営企業を見るべきでしょうか」 | 一方は汎用的な次の一手を示した。もう一方は、自分のリサーチで得た内容をもとに、具体的な次の一手を示した。 |
この違いは、その裏側で行われた作業にある。そしてその作業は画面上に残る。すべての工程が一覧で表示され、どの数値もワンクリックで出典を確認できる。
難しいと分かっている質問こそ、Analyst 2.0の使いどころだ。以下から一つ選んで送信すると、回答が組み立てられていく様子を確認できる。
さらに上位のモード:Senior Analyst 2.0
ここまでは、新しいデフォルトであるAnalyst 2.0の話だ。
その上位に、より高度なモードとしてSenior Analyst 2.0を追加した。どの質問でも切り替えて使える。
どちらを選ぶかは、質問の種類による。
「コカ・コーラの今四半期の業績は」はAnalyst 2.0の得意分野だ。正確な答えが存在し、それをどこで見つけられるかも分かっている。
「NvidiaとAMD、長期のAI投資としてどちらが優れているか」はSenior Analyst 2.0向けの質問だ。データを集めるだけでは足りないからだ。競合する根拠を比べ、強気・標準・弱気の各シナリオを検討したうえで、それぞれが実現するには何が必要かを説明する。
WarrenAIのその他の新機能
これまで別ページにあった二つの機能が、WarrenAIの中にも入った。画面上に表示されるため、WarrenAIがその内容を読み取れる。
一つはウォッチリストだ。チャットの隣に表示されるので、ティッカーを入力せずに、リスト全体について質問できる。
「ウォッチリストに何を追加すべきか」と質問すれば、WarrenAIが保有銘柄を読み取り、共通点を洗い出し、まだ入れていない銘柄を挙げる。挙がった銘柄名は、その後の会話にもそのまま残る。
もう一つはチャートだ。WarrenAIでチャートを開けば、内容を改めて説明し直す必要のある別ウィンドウではなくなる。チャートに表示されている情報が、そのまま質問に添付される。「今のレイアウトに足りないテクニカル指標はどれか」と質問すれば、AIが想像する一般的なチャートではなく、目の前にある設定をもとに答える。
WarrenAI Analyst 2.0は、無料・有料を問わず、すべてのユーザーが使える。
※調査:グローバル版Investing.comのユーザー896名を対象に、2026年8月に実施。対象はウォッチリストで少なくとも一つの資産を追跡しているユーザー。パーセンテージは各設問への回答者に占める割合。
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