なぜ、勝者は負けても勝っているのか?
なぜ、敗者は勝っても負けているのか?
敗者は何故負けてしまうのか。勝者はどうして勝てるのか。10年以上勝ち続けてきた現役トレーダーが相場の“真理”を詩的に紹介。
負けたトレーダーが破滅するのではない。
負けたときの対応の悪いトレーダーが破滅するのだ。
「月曜日、火曜日は大好きなゴルフを楽しみ、水曜日、木曜日はクルーザーで釣りを楽しみ、週末は家族や友人を別荘に招いてバーベキューを楽しむ」。 そのような「楽しい人生」に憧れない人などいないでしょう。マーケットは我々トレーダーに大金を得る機会を与えてくれます。その大金は誰にも干渉されない自由な人生を謳歌するのに十分な金額です。
しかし当然のことですが、誰でもトレーダーとして成功するわけではありません。それどころか、夢や希望を持ったトレーダーの多くは大金を失い、希望は絶望に変わり、まるで夢から覚めたかのようにマーケットの世界から去っていきます。なぜ、マーケットはブラックホールの如く、トレーダーのお金をいとも簡単に吸い込んでしまうのでしょうか?
私たちが社会で何かしらの欲を満たすために生きているのと同様に、トレーダーも何かしらの欲を満たすためにトレードをしています。実は、この「欲」こそ多くのトレーダーが破滅する大きな原因のひとつなのです。 誰でも初めてのトレードは緊張して怖かったはずです。無欲で謙虚だったはずです。初めてのトレードで勝つトレーダーが意外にも多い事実は、何もそのトレーダーの相場観が正しかったという理由だけではありません。無欲であり、謙虚であり、緊張して怖かったからなのです。
しかし悲しいかな、人はどんな状況にでも慣れることができます。恐怖心はいつの間にか消え、トレーダーは謙虚さの欠けらもない強欲の固まりになります。勝ったときはもっと勝ちたい、負けたときは必ず取り返したい。そんな気持ちが強くなりすぎると、ポジションが逆に進んだときに、ほんの少しの損切りもできなくなってしまいます。
勝つトレーダーは勝つ思考法を身につけています。これは単純ですが深く本質的です。今まで負けていたトレーダーも「勝つ思考法」を身につけることで「勝つトレーダー」になることができるのです。
しかし、甘く考えてはいけません。教科書で速く泳ぐ方法を学んだところで、実際に泳いで速く泳ぐ方法を身につけない限りは速く泳ぐことなどできません。「知っていること」と「できること」は違うのです。あなたが現在「負けている、もしくは大して勝っていない」普通のトレーダーなのであれば、勝つ思考法を身につける前に、「負ける思考法」をひとつずつ変えていかなければなりません。
これは簡単なことではありません。あなたが変えなければならない「負ける思考法」は、たった今まであなたが正しいと思ってきた「勝つ思考法」である可能性が極めて高いのです。本書を読み進めていくうちに、今まであなたが築き上げてきた「自己」を自らの手で否定しなければならなくなる場面に度々遭遇するでしょう。あなたはこの苦痛に耐え、真の勝者となることができるでしょうか? (「はじめに」より)
■著者紹介
山口祐介(やまぐち・ゆうすけ)
1975年生まれ。成城大学経済学部卒。外国為替証拠金会社数社でカバーディーリング業務に従事。2006年に独立。為替、株式、商品などのトレーディングで生計を立てる。現在はディーリングの知識や10年を超える個人トレーダーとしての経験を生かし、個人投資家の教育や啓蒙活動を主な目的としたSHARK FUND(http://www.shark-fund.com)を主宰。多くの個人トレーダーからの支持を得る。
2007年6月発売
1,575円 (税込)