「第2のFX」を徹底紹介!
ファンダメンタル分析で世界をまたにかけた安定運用
万能金融商品「CFD」で世界の動きをつかみとれ!
CFDとは「Contract For Difference」の略で、証拠金を担保に売買の「損益差額」だけをやりとりする取引のこと。「差金決済取引」とも呼ばれる。本場イギリスでは、株式取引の4割がCFD関連といわれるほどの人気を博している。
「証拠金」と聞くと、個人投資家に人気のFX(外国為替証拠金取引)を思い浮かべる人もいるだろう。実際のところ、大きな仕組みはFXとほとんど変わらない。 CFDは“FXの証券・先物版”といえる。
例えば、1株1000円の銘柄を100株購入する場合、通常は10万円の総代金が必要だ。しかし、証拠金率20%のCFDならば、たった2万円(総代金×証拠金率)の証拠金で、この規模の取引ができるのだ。小額の資金で巨額の取引が可能な「資金効率の良さ」が、CFDの魅力のひとつである(もちろんリスクにもなる)。
また、信用取引のように“空売り”も可能だ。しかも、信用取引と違って、貸株料や逆日歩といったコストがかからない。
そして最大の魅力は、世界中の個別株、株価指数、債券、商品を対象とした多種多様なCFDを、ひとつの口座から24時間取引できるところだ。世界のどこかに、そして自分にとって都合の良い時間帯に、魅力的な値動きの銘柄が見つかるかもしれない。
こうしたCFDの柔軟な商品性は、個人投資家にも「グローバルマクロのロングショート戦術」の実践を可能にしている。世界的なファンダメンタル分析で大局をつかみ、そこにある“格差(サヤ)”から収益機会を見つけだすという、ジョージ・ソロスに代表される多くのヘッジファンドマネジャーたちが採用している運用戦術だ。
例えば、日本経済は1990年末のバブル崩壊以降、明るい展望が開けていない。社会不安は拡大の一途、財政赤字は悪化の一途だ。一方、世界に目を向ければ、中国やブラジルなどの新興国をはじめ、まさに伸び盛りの国々が多数ある。CFDを利用して、連動する世界株式市場の変動リスクを回避しながら、この「成長のサヤ」を享受する戦術が考案できるわけだ。
本書は「入門書」として、初心者でも実践しやすい「サヤ取り戦術」を紹介している。また、その“土俵”となるCFDそのものを理解してもらうことが最も重要なため、さまざまな視点から商品性について紹介した。
CFDは取扱会社によって細かな部分で“仕様”が異なるため、複雑な印象を投資家に与えがちだ。しかし、本書から概要とその“歩き方”をつかめば、この新しい金融商品を利用した、さまざまな運用戦術を考案できるだろう。
■著者紹介
元信光人(げんしん・こうじん)
2002年、大阪市立大学医学部卒。医師として働くかたわら、投資を始める。ジョージ・ソロス氏の運用手法として知られるグローバルマクロ戦略を中心に研究を重ね、その実践のためにCFD取引を開始。証券投資顧問業を取得後、2007年にファンド会社を立ち上げ、同年に台湾支社を設立する。レポート会員数は3万人を突破。
元信光人
パンローリング A5判 240頁 2010年1月発売
1,575円 (税込)