繁栄を謳歌した米国経済は、晴れ間のない暗雲が立ち込め、米ドルの価値が下がるのは、もはや疑いようがないと言われている。中国をはじめ各国が、ドルに代わる外貨準備として金の保有率を高めるなどその需要は高まっている。
「有事の金」と言われる金は、希少性が高く、経済危機や原油高、インフレなどにも強く、リスクヘッジとしてポートフォリオに組まれることが多い。しかし一方では、既に金は過去最大の高値圏であり、実需を伴わない金融主導の上昇相場であるともいわれ不安と警戒感が高まっている。
いずれにしても我々は、不安な未来に備えなければならない。
本講演では、金市場の今後の動向からどのようなアクションを取るべきか?
金をポートフォリオの一部として採用するべきか?
個人投資家として必須の知識とその運用法、リスクを解説する。
トピック
金市場の基本
現在の相場 –過去から現在に至る金市場の動き
金って何? - 価値の源泉
ファンダメンタル - 需要と供給
銀行・商社の裁定取引
金相場の変動要因:5つのポイント
1. ドルの不信:アメリカ経済に対する不安からのドル資産離れ>投資資金の流入
2. 世界の実需筋の動き – インド、東南アジア、中国、 ヨーロッパ・北米の投資家の現物投資
3. ヘッジファンドを中心とする投機筋の動き – コメックスの投機家ポジション
4. 年金など長期資金の動き – ETF
5. 中央銀行の動向 – インドの金買い – 中国、ロシアの今後の動き
プログラム
金相場の歴史(チャート)
ドル建て金価格チャート(過去二年間)
ドル建て、円建て、および為替
ドル建て金価格とユーロの動き
金相場過去の流れ
商品としての「金(Gold)」
金の需要
金の生産国
世界のゴールドのマーケット
金の生産国
世界のゴールドのマーケット
日本の金市場:東京工業品取引所
Gold ETF残高と金価格の推移
Gold ETFで保管されている金
外貨準備に占める金の割合
Comex投機家gold ロングポジションと価格推移
金価格とファンドのポジション推移
年初来商品収益ランキング
2009年のメタルの動き
過去10年間の動き
貴金属メタル別需要内訳
Gold 現況と今後の見通し
Silver
Platinum
Palladium
AG & PGM のポイント
池水雄一(いけみず・ゆういち)
商社、外資などを経て現在、スタンダードバンク東京支店を立ち上げ運用を行う。
世界中の金価格と向き合い、まさに命懸け、真剣勝負で日々取引を行い、 その運用成果で日本を代表する金のスペシャリストとなる。
世界では、Mr.Bruce(ブルース)の愛称で知られ、そのネットワークを駆使した分析力と各国の思惑を知りつくした男の金(ゴールド)の投資戦略は常に注目される。著者に『 ゴールド・ディーリングのすべて―マーケットとディーラーたち』がある。
池水雄一
パンローリング DVD 2010年3月発売
3,990円 (税込)