欧州市場サマリー（16日）

　 　　 1314GMT 　　　　　 　 15日

ユーロ／ドル

ドル／円

ユーロ／円

　　　　　　　　　　　　　　16日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5124.13（＋82.00） 　5042.13

　　クセトラＤＡＸ　　　　　5700.26（＋71.28） 　 5628.98

金　現物午後値決め 　1015.75 996.00

　　　　　　　　　　　　 　先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(12月限)　 99.245 (‐0.015)　　0.373(0.369)

独連邦債２年物 1.272(1.260)

独連邦債１０年物(12月限) 120.72 (‐0.35) 3.336(3.291)

独連邦債３０年物 　 4.078(4.056)

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　＜為替＞　ドルがユーロと円に対して下落している。７月の対米証券投資の売り越し額

が前月から大幅に増加したことが要因。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続伸。銀行・鉱山株の上げが主導し、ＦＴ１００種総合

株価指数<.FTSE>は１年ぶり高値で引けた。世界的な景気回復のペースに対する楽観的な

見方が広がり、リスク選好が高まった。

　ＦＴ１００種指数は今四半期これまでに２１％上昇し、四半期ベースでは１９８４年の

指数開始以来最大の上昇率となる勢いを見せている。ただ、前年の米リーマン・ブラザー

ズ破たん直前の水準を約５％下回っている。

　米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のバーナンキ議長は前日、米国では景気後退が終了した公

算が大きいとの見方を示した。市場がこの明るい発言を消化する中、リスク許容度の高ま

りを背景に銀行株が買われた。

　バークレイズ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）、

ＨＳＢＣは０．６─４．４％高。

　コメルツ銀行のエコノミスト、ピーター・ディクソン氏は「投資家は景気後退が終息し

たと思いたがっている。相場は息切れする前にもう少し上値を伸ばすとみている」と述べ

た。

　ロイズ・バンキング・グループは４．３％高。英紙タイムズによると、欧州連

合（ＥＵ）欧州委員会はロイズに対し、主要子会社ハリファックスの全体または一部売却

を命じる可能性がある。

　バークレイズは１２３億ドルのクレジット関連資産を再編する方針を明らかにした。

　金属価格の上昇を受け鉱山株の需要も高まった。エクストラータ、フレスニロ

、ユーラシアン・ナチュラル・リソーシズ（ＥＮＲＣ）、リオ・ティン

ト、ランドゴールド・リソーシズ、ＢＨＰビリトンは３─７％値

上がりした。

　エクストラータは、ＲＢＳが投資判断を「ホールド」から「バイ」に、目標株価を従来

の６２５ペンスから１０５０ペンスにそれぞれ引き上げたことも手掛かりとなった。

　原油価格の上昇を背景に石油株も連れ高。ロイヤル・ダッチ・シェル、ＢＧグ

ループ、ケアン・エナジーは０．５─３．１％高となった。

　タロー・オイルは９．２％急伸。同社を含むコンソーシアムがシエラレオネ沖

で油田を発見したことを明らかにした。

　欧州株式市場は続伸。世界経済の回復の兆しが強まるなか、ＦＴＳＥユーロファー

スト３００種指数は１１カ月超ぶりに１０００台に乗せて引けた。

　この日発表された８月の米鉱工業生産指数が２カ月連続で上昇し、経済の回復を裏付け

る新たな材料となった。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は１３．７８ポイント（１．３９％）

高の１００６．１５。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は３９．２８ポイント（１．３８％）高

の２８８２．２８。

　銀行株の上げが目立った。ＨＳＢＣ、バークレイズ、コメルツ銀行

、ナティクシス、ＫＢＣ、ＵＢＳ、ソシエテ・

ジェネラルが２．６―１３．７％上昇した。

　ただ、アライド・アイリッシュ・バンクは２．４％安、バンク・オブ・アイル

ランドは１．２％安となった。アイルランドのレニハン財務相が国内銀行ついて、

不良資産買い取り機関（バッドバンク）にリスク資産を移管した後、追加増資が必要に

なるとの見方を示した。

　金

上昇したことを背景に、商品（コモディティ）株が選好された。鉱山ではＢＨＰビリトン

、リオ・ティント、アングロ・アメリカン、エクストラータ

、ランドゴールド・リソーシズ、ベダンタ・リソーシズが２．７―

５％高となった。

　石油・ガス関連では、ＢＰ、ロイヤル・ダッチ・シェル、ＢＧグループ

が０．２―３．１％上昇した。

　小売株も高い。欧州最大の衣料販売企業であるインディテックスは５．１％値

上がりした。上半期の純利益が予想の平均を上回った。　

　英第２位の衣料チェーン、ネクストも６．８％上昇。上半期の税引前利益が増

加したほか、通年の業績見通しを引き上げた。

　＜ユーロ圏債券＞　下落。予想以上に強い内容の米経済指標を背景に世界経済が回復し

ているとの見方が強まった。

　８月の米鉱工業生産指数が予想を上回って上昇し、経済の回復を示す新たな兆候となっ

たほか、８月の米消費者物価指数も相場を圧迫した。

　ドイツ政府はこの日、４１億４０００万ユーロの独連邦債１０年物入札を実施し、堅調

な需要が示された。相場はこれを受けて当初上昇したものの、明るい米経済指標を背景に

米債需要が後退したことを受けて下げに転じた。

　イングランド銀行（英中央銀行）が最近の英国債買い取りオペで強い需要があったと発

表したことを受け、英国債が下落。独連邦債が連れ安となる場面も見られた。

　英国債投資家は利益確定のため英中銀の買い取りオペに応じている。１５日の英国債２

年・１０年物利回り格差は、銀行の準備預金の金利引き下げを検討するとのキング英中銀

総裁の発言を受けて大幅に拡大した。

　ＲＢＣキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、リチャード・マグワイア氏は

「相場は世界的な傾向に沿って売りが優勢となった」と指摘。「一段と底堅い経済データ

や、英国債の大幅上昇を受けた利食い売り、株高などを受けて債券市場での弱気なセンチ

メントが広がった」と述べた。

　１６０６ＧＭＴ時点で、独連邦債１２月限は４３ティック安の１２０．６４。

一時１２０．５４の安値をつけた。

　独連邦債１０年物

３．３４２％。同２年債

　独連邦債１０年物入札の応札倍率は１．６倍と前回の１．８倍を下回ったものの、アナ

リストからは入札の内容は強く、ユーロ圏債券市場を支援したとの声が聞かれた。

　１７日にはフランス・スペイン国債の入札が予定されている。

　　　　　 　　　　　 　 ［東京　１７日　ロイター］