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ビジョン Research Memo(6):2016年12月期2四半期業績は売上高、すべての利益が過去最高を更新

発行済 2016-09-02 16:26
更新済 2016-09-02 16:33
ビジョン Research Memo(6):2016年12月期2四半期業績は売上高、すべての利益が過去最高を更新
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■業績動向

(1) 2016年12月期第2四半期累計期間の連結業績の概要

ビジョン (T:9416)の2016年12月期第2四半期累計期間(1月−6月)の連結業績は、売上高は前年同期比20.3%増の6,952百万円、営業利益は同50.2%増の558百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同2.8%増の341百万円と2ケタ増収・営業増益を確保し、売上高及びいずれの利益も過去最高を更新した。


増収となったのは、グローバルWiFi事業と、情報通信サービス事業とも好調に推移したことによる。
売上原価は仕入通信回線増加により2,954百万円と前年同期比441百万円増加したものの、売上の拡大に伴う仕入れ条件の改善、オペレーション効率化などの継続的改善策により売上総利益率は57.5%と前年同期比1.0ポイント改善した。
一方、販管費は新卒社員30名増員等により546百万円増加した。
しかし、AI(人工知能)活用による問い合わせ検索内容対策で受注増大にもかかわらずコールセンター費用を抑制できたことなど効率的な運用を行うことができたため、販管費比率は0.6ポイント改善し49.5%へ低下した。
この結果、営業利益率は1.6ポイント改善し8.0%へ上昇した。


なお、親会社株主に帰属する四半期純利益の伸び率が低いのは、佐賀県出店(ビジョン・フューチャー・ビジネスセンター)にかかる助成金終了と為替差損計上により営業外収益が減少したことに加えて、前期にあった株式売却益がないことにより特別利益が減少したことが要因。


a)グローバルWiFi事業
第2四半期累計期間の売上高は前年同期比33.5%増の3,478百万円、セグメント利益は同79.4%増の399百万円と好調に推移した。
大幅な増収となったのは、第2四半期累計期間(1月~6月)における出国日本人数が前年同期比3.8%増の762万人※1と堅調であったことや、円高が進行したにもかかわらず第2四半期累計期間の訪日外国人旅行者数が同28.2%増の1,171万人※2と初めて半年で1,000万人を超え、過去最高(単月では4月が208万人(前年同月比18.0%増)と過去最高を記録)となるなど、事業環境が良好に推移した。
加えて、1)「グローバルWiFi」羽田空港カウンターの全面リニューアルオープン、関西国際空港カウンターの増設、富士山静岡空港における受取返却場所の追加、観光案内所における「NINJA WiFi」のレンタルを4ヶ所で新たに開始するなど、ユーザーとのタッチポイントの増設を行った、2)混雑解消のため羽田空港カウンターにスマートフォンを利用した受取専用ロッカー「スマートピックアップ」を設置したほか、高速通信規格4G-LTEの提供エリアを5ヶ国拡大した、など、4月から6月にかけて行った利便性、快適性の向上のための施策の効果が顕在化したことがプラス要因として働いた。


※1入国管理局統計をもとに算出。
6月は速報値。

※2日本政府観光局(JNTO)統計。
第2四半期累計期間推計値。


一方、営業増益となったのは、売上高の拡大とそれに伴い仕入回線費用の低減が進んだことや、オペレーション効率、顧客獲得効率向上を狙った施策の効果が顕在化したこと、AI(人工知能)活用による問い合わせ検索内容対策により受注増大にもかかわらずコールセンター費用を抑制できたこと、などが増益要因として働いたことによる。
ちなみに、セグメント利益率は11.5%(前年同期は8.5%)へ前年同期比3.0ポイント上昇した。


b)情報通信サービス事業
第2四半期累計期間の売上高は前年同期比9.5%増3,467百万円、セグメント利益は同19.7%増の560百万円と増収、2ケタ増益を確保した。
UTM(統合脅威管理アプライアンス)の販売に加えて、第2四半期からUPS(無停電電源装置)の取扱いを始めるなど、サービスラインナップの拡充を行ったことや、Webマーケティングと全国規模の訪問営業の融合といった同社の独自の営業手法を展開し、ユーザーの様々なニーズに的確なタイミングで対応し生産性の向上に努めた効果が顕在化した。
特に主要ターゲットである新設法人、ベンチャー企業の取り込みが順調に推移、第2四半期累計の実績は9,622社となったことと、CRMの寄与による継続取引により利益が積み上がったこと、などが原動力となった。
この結果、セグメント利益率は前年同期に比べ1.4ポイント上昇し16.2%(前年同期は14.8%)となった。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

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