石油トレーダーと投資家は、OPECと株式市場のどちらがより重要であるかをまだ決定できていない。
米国WTI原油と英国のブレント原油は木曜日に2日連続の上昇を見せた。OPECが市場にインパクトを与えようと原油の減産をしたが、株式市場の不安定さが同じくらいに影響を与えたことで効果が相殺されてしまった。
ニューヨーク市場の午前中に、原油価格は、ヨーロッパ市場での2％近くの下落から、2％高まで上昇した。ブルームバーグの調査によると、OPECの12月の生産はほぼ2年間で最大の月間での減産となり、同様のロイターの調査によれば、11月の生産は2017年1月以来の最大の減少となった。このニュースにより原油価格の上昇が支えられた。
だが、アップル（NASDAQ： AAPL）が中国での販売の弱さから売上予想を下方修正したことにより株式市場が大幅安となり、原油価格の足を引っ張った。
米国 WTI原油は47.47ドルの日中最高値をつけた後、1バレルあたり47.09ドル（55セント高で1.2％の上昇）で終了した。
世界的な原油のベンチマークであるブレント原油は、56.30ドルまで上昇した後、1バレルあたり55.85ドル（94セント高で1.7％の上昇）となった。
今後6ヶ月間で1日あたり120万バレルの世界的な供給削減となるOPECの目標を達成するために、米国と中国への石油出荷の意図的な削減を先月サウジアラビアが提案したとブルームバーグが報じ、当初下落して始まった水曜日（1年最初の取引日）の原油価格は2％以上上昇して終わっていた。
しかし、中国、ひいては世界が景気後退になるのであれば、OPECの減産はそれほど問題にならないかもしれない、とアナリストらは言う。
シカゴのPrice Futures GroupのPhil Flynn氏は「世界経済の減速懸念がOPECの減産の意味を薄れさせています。しかしたとえ減産がシェールオイル業者の幾分かの市場シェアを失うことを意味するとしても、OPECは石油価格を安定させるために必要なことは何でもする準備ができています」と述べた。
株式市場と世界規模のマクロリスクを除けば、アナリストは、2019年に米国の石油生産の主役であるシェールオイルが石油市場のダークホースであり続けると確信している。 大きく進化するフレーキング技術によってシェールオイルは2018年に記録した1170万bpdから今年は1,200万を超えると予想されている。
米国の油田は、軽油、ガソリンに最適な原油であり、中東の原油は米国の製油所がディーゼルや他の中間留分を回収するために必要だ。しかし、総生産量に焦点を当てた市場では、価格方向を決定しているのは米国原油だ。
Conocco PhillipsのCEOであるRyan Lanceはブルームバーグで次のように述べた。「原油市場は、投資水準の変化に応じて急速に増減可能な北米のシェールオイル生産に一部牽引されて、依然として不安定な状態が続くと予想されます」
米国エネルギー情報局による金曜日発表の経済指標に先んじて、12月28日に終了した週の米国の石油需給に関する石油協会週次原油在庫に市場は注目した。結果は予想以上の在庫の減少であった。土曜日午前1時発表予定の原油在庫は310万バレルの減少になると予想されている。
金曜日には、労働省が11月の15万5000に対し17万8000になると予想される12月の非農業部門雇用者数も発表される。