31日(現地時間)、FRBによって利下げは想定通り決定したが、追加利下げの可能性は後退し、金先物は下落した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)における8月渡しの金先物は16時50分時点1.37%安の1418.05ドルをつけている。
FRBは10年以上続く米国経済の成長を維持するため、25ベーシスポイントの利下げを決定した。FRBが利下げを行うのは2008年から2009年にかけて発生した金融危機以来のこととなる。
しかし多くの投資家の期待を裏切り、FRBは9月に追加で25ベーシスポイントの利下げを行うと示唆することはなかった。
ジェローム・パウエルFRB議長は記者会見にて、今回の利下げが長期的なものとなることを否定したものの、一度きりのものではないとも発言し、投資家の混乱を招くこととなった。
また同氏は米国の景気は堅調にも関わらず利下げを行う必要があるのかについて説明するのに苦慮したものの、貿易における緊張の高まりが投資を減少させていると強調した。
ドル高が招かれたことによって、金の下押し圧力となっている。16時50分時点でドルインデックスは0.38%高となっている。
RJOフューチャーズのシニア市場アナリスト、Phillip Streible氏はKitco Newsに対し、投資家がFRBの声明を完全に消化するまで、金は高いボラティリティを維持するだろうと述べている。
また同氏は「もし今回の利下げ相場で金を取引するのならば、5%の変動は覚悟しなけえればならない」とし、今回の下落は恐らく50ベーシスポイントの利下げが想定されていたからだと加えた。
その上で同氏は「現状世界経済に大きな問題はないように見えるものの、今年中に景気が大幅に悪化する懸念は未だ多数存在しており、そうした懸念が金にとっては好材料となるのだ」と述べた。