[東京 24日 ロイター] - アジア時間の原油先物は上昇。米原油・ガソリン在庫が大幅に減少し、燃料需要回復を巡る楽観的な見方が高まった。イランの原油輸出再開につながる可能性のある2015年核合意の立て直しを巡る不透明感も支援材料。
0103GMT(日本時間午前10時03分)時点で、北海ブレント先物はは0.09ドル(0.1%)高の1バレル=75.28ドル。前日は0.5%高だった。米WTI原油先物は0.06ドル(0.1%)高の1バレル=73.14ドル。前日は0.3%上昇していた。
両ベンチマークは23日、ともに2018年10月以来の高値を付けた。ただ、OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏のリポートによると、米在庫統計を受け、エネルギートレーダーが利益確定の売りを出したことから上げ幅を縮小した。
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表した週間統計によると、原油在庫は18日までの週に760万バレル減少し、4億5910万バレルと20年3月以来の低水準を記録。ロイターがまとめたアナリストの予想(390万バレル減)よりもかなり大幅な落ち込みとなった。
ガソリン在庫は290万バレル減。アナリスト予想は83万3000バレル増だった。
日産証券の菊川弘之氏は、米在庫統計で今年下期の力強い燃料需要見通しが確認され、原油価格を押し上げたと指摘。イラン核合意を巡る協議にまだ溝があるとの見方も材料になっていると話した。
イランのロウハニ大統領の首席補佐官を務めるマフムード・バエジ氏は23日、イラン核合意の復活を巡る協議で、米政府が石油・海運分野の対イラン制裁を全て撤廃し、一部の高官をブラックリスクから除外することに同意していると述べた。しかし、米国側は「全てにおいて合意に達するまで何の合意もない」としている。
菊川氏は、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の会合を前に市場では短期的な調整が見られる可能性があるとした上で、需給バランスがタイト化していることから市場のトレンドは強いとの見方を示した。