[イスマイリア(エジプト) 23日 ロイター] - エジプト・スエズ運河で3月に起きたコンテナ船「エバーギブン」座礁事故で、船主の正栄汽船(愛媛県今治市)と損害保険を引き受けている保険会社は、スエズ運河庁との賠償交渉で原則合意に達した。各当事者が23日に発表した。
6日間にわたって座礁していたエバーギブンは3月29日に離礁して以来、運河の間の湖に留め置かれている。
運河庁のラビア長官は23日遅く、エジプトのテレビ番組で「われわれはこの問題を裁判所を通すことなしに解決することで合意した。合意案はできており、見直すことになる」と述べた。全てがまとまり、署名されるまで合意金額は明かせないとした。
船主と保険会社の代理人を務めるスタン・マリンのファズ・ピアモハメド氏は発表文で、できるだけ早期に署名合意をまとめるための作業を進めており、手続きが済んだ後にエバーギブンの解放に向けた取り決めがなされる、と説明した。
運河庁は離礁作業や風評被害、逸失収入に伴う損害賠償として9億1600万ドルを求めていたが、その後に5億5000万ドルに減額していた。
正栄汽船と保険会社側はこの賠償請求額とコンテナ船の抑留に異議を唱えていた。