[ワシントン 1日 ロイター] - バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は1日、記者団に対し、石油やガス、石炭の新規開発事業を進める国は、二酸化炭素(CO2)排出量をゼロにするための技術を開発すべきだと語った。
ケリー氏は「これは誰も避けることができない課題だ」と述べ、「新規事業を計画している全ての国は、CO2排出量を確実にゼロにする責任がある」と強調した。
CO2を回収して貯蔵したりする技術へ投資する時間は、1─3年ほどしかないと指摘。化石燃料を使う事業への新規投資停止を主張する国際エネルギー機関(IEA)の姿勢は正しいとの見方を示した。
IEAは今年5月、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするには、エネルギーの生産・利用・輸送方法を根本的に変える必要があるとし、石油やガスの新規開発計画などを取りやめる必要があると指摘した。
ケリー氏は6月中旬にサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を訪問。サウジが未来都市建設構想NEOMで、再生可能エネルギーの電力で水を電気分解して「グリーン水素」の生産を計画していることを評価している。
会見でケリー氏は、水素は欧州やアフリカに輸出できるとし「グリーン水素を利用できる場所はどこであれ、それを活用すべきだ」と述べた。