[ニューヨーク 23日 ロイター] - 2021年の世界の石油需要は、新型コロナ禍からの景気回復に伴い大幅に増加した。22年は、温暖化対策で化石燃料使用の削減が進むことが見込まれるが、世界全体の消費量は過去最高に達する可能性がある。
国際エネルギー機関(IEA)によると、22年の原油消費量は日量9953万バレルと、21年の同9620万バレルから増加し、19年の同9955万バレルに迫る見通し。
年初に1バレル=52ドル近辺だった北海ブレント先物価格は、一時1バレル約86ドルまで上昇した。直近は約76ドルとなっている。22年は、供給が予想以上に増えない限り、再び上昇に転じると予想されている。バンク・オブ・アメリカは、低水準の在庫などを理由にブレント先物の22年の平均価格は1バレル=85ドルになると予想している。
一方、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大に伴い多くの国で渡航規制が再び導入されており、航空業界や消費への影響が予想されている。
ゴールドマン・サックスのエネルギーリサーチ部門代表、ダミエン・コルバリン氏は「仮に(オミクロン株が)以前のような感染の波を引き起こせば、2022年第1・四半期の経済成長にマイナスの影響を及ぼすことになる」と指摘。「ただ、その後景気が回復すれば、11月上旬に一時的にコロナ前の水準に達した石油需要は、2022年の大半の期間において最高値を更新する」との見方を示した。
ライスタッド・エナジーの分析部門幹部、クラウディオ・ガリムベルティ氏はカナダ、ノルウェー、ガイアナ、ブラジルが来年供給を拡大すると指摘。米エネルギー情報局(EIA)は、米国の22年の石油生産は平均日量1190万バレルと予想している。