[メルボルン 31日 ロイター] - 原油先物は31日、小幅に下落したが、通年では12年ぶりの大幅な上昇となる見通し。世界各国で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているが、景気回復や増産抑制が通年での原油の大幅高につながった。
0718GMT(日本時間午後4時18分)時点で北海ブレント先物は0.03ドル安の1バレル=79.50ドル。米WTI先物は0.10ドル(0.1%)安の76.89ドル。
北海ブレントは通年では53%上昇、WTIは58%上昇する見通しで、いずれも2009年以来の大幅上昇。09年は70%超上昇していた。ともに21年のピークは10月に付けており、北海ブレントは86.70ドルと18年以来の高値、WTIは85.41ドルと14年以来の高値を記録した。
ジェット燃料の需要拡大を背景に、原油価格は来年も一段と上昇するとみられている。
豪証券会社コムセクのチーフエコノミスト、クレイグ・ジェームズ氏は「デルタ株やオミクロン株、あらゆる形のロックダウン(都市封鎖)や行動制限があったが、原油需要は相対的に強さを維持した。刺激策の効果や供給面の制約が背景にあると考えられる」と語った。