[ロンドン 19日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は19日公表した月報で、石油の供給が近く需要を上回るとの見通しを示した。一部の産油国の生産ペースが過去最高になるとしている。
需要については、新型コロナウイルスのオミクロン株流行にもかかわらず、底堅いとの見方を示した。
IEAは「供給は着実に拡大し、2022年第1・四半期以降は大幅な供給超過となる可能性がある」と指摘。米国、カナダ、ブラジルの22年の生産ペースは過去最高になる見通しで、サウジアラビアとロシアの生産も過去最高を更新する可能性があるという。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が協調減産の縮小を継続すれば、「22年の世界の石油供給はサウジ主導で日量620万バレルの大幅増が見込まれる」とした。
IEAによると、制裁を受けているイランを除くOPECプラスの実質的な生産余力は年後半に日量260万バレルに縮小する可能性があるという。
また、ロックダウン(都市封鎖)の緩和で移動は引き続き活発だとも指摘。これを受け、21年と22年の石油需要の予測を日量20万バレル引き上げた。
ただ、経済協力開発機構(OECD)諸国の商業石油・燃料在庫は7年ぶりの低水準で、供給が減れば22年の石油市場が不安定になる可能性があるとも指摘した。