[ドバイ 27日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は27日、エネルギー移行が円滑には進んでいないと発言、増大する需要を新エネルギーで賄えるようになるまで、原油・ガスへの投資が必要だとの認識を示した。
同CEOは、インドネシアで開かれたエネルギー会議にオンラインで出席し「持続可能な未来のエネルギーに移行するため、円滑なエネルギー移行が絶対に不可欠だという点で誰もが一致しているが、それを実現する上で生じる複雑な課題を考える必要もある」と発言。「現在の移行が円滑に進んでいないことを認めなければならない」と述べた。
アラムコは、同社の事業から生じる温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げる一方、炭化水素の生産能力も増強し、持続可能な最大生産能力を日量1300万バレルに引き上げている。
同CEOは、従来型エネルギーの需要が「かなりの間」続く可能性が高く、新エネルギーと並行して炭化水素への投資も進める必要があると述べた。
「世界経済の回復が始まり、石油・ガス需要が回復しているが、石油・ガスへの投資が減少しているため、供給が遅れている。このため、欧州とアジアの一部で市場が非常にタイトになっている」と発言。
「新エネルギーの開発が進み、増大する世界のエネルギー消費に現実的かつ大規模に対応できるようになるまで、既存のエネルギーと新エネルギーの双方への投資を継続することを提案する」と述べた。