[6日 ロイター] - イラン核合意再建に向けた同国と米国の協議が決着に近づいている兆しを受け、トレーダーからは原油価格の上昇勢いが失速する可能性があるとの見方が出ている。
米国が対イラン制裁を解除すれば、イランは原油輸出を拡大させ、原油需給は緩む。日本時間7日午後0時12分時点で、北海ブレント先物は0.05ドル(0.1%)安の1バレル=93.22ドル、米WTI先物は0.63ドル安の91.68ドルで取引されている。
アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「いまの上昇が制裁緩和を促し、イラン産原油の供給を増やすとの憶測が出ている」と述べた。
バイデン政権は4日、イラン関連制裁の免除を復活させた。これによりイランの核施設が核開発に利用されることを困難にする国際事業が再び行える。
米国務省当局者は4日、核合意再建に向けた実務的協議を許可するのに制裁免除の復活が必要だったと説明し、合意が目前というシグナルではないと述べた。
欧州の当局者は、核合意当事国の協議が8日にウィーンで開催される公算を示した。
ロブ・マレー米イラン担当特使は6日、MSNBCの番組で「バイデン大統領はなお、われわれがウィーンで協議するのを希望している。これは、われわれが合意が死に体ではないと信じ続ける象徴、兆しだ。(核合意は)われわれの利益であり、再建する必要がある」と語った。
イランのアブドラヒアン外相は5日、米の制裁免除復活は不十分との認識を示した。
イスラエルのベネット首相は6日、バイデン大統領と電話会談し、イラン核開発の停止に向けた道筋について協議したと明らかにした。