[メルボルン 8日 ロイター] - アジア時間の原油先物は小幅高。このまま推移すれば、週間では約3%下落する見通しだ。今週は、ロシア産原油の供給源を補うため、国際エネルギー機関(IEA)加盟国が合計2億4000万バレルの石油備蓄放出で合意したことを受け、原油先物は急落した。
0139GMT(日本時間午前10時39分)時点で、北海ブレント先物は0.13ドル(0.1%)高の1バレル=100.71ドル。米WTI原油先物は0.35ドル(0.4%)高の96.38ドル。
IEA加盟国による石油備蓄放出量は5月から年末にかけて日量約100万バレルに相当する。アナリストらは、備蓄放出は短期的に原油価格上昇を抑える可能性があるが、制裁で失われるロシア産原油の供給量を完全には補えないとみている。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のアナリストは、石油備蓄放出によって、主要産油国は原油価格が1バレル=100ドル付近でも増産を急がない可能性が高いと指摘した。
また、欧州連合(EU)がロシア産石炭に続いて原油の禁輸を検討していることは、短期的に原油価格の下げ幅を限定するとみられている。