[ルクセンブルク/ブリュッセル/ロンドン 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、ロシア産原油の禁輸に関する提案を取りまとめている。アイルランド、リトアニア、オランダの外相が11日に明らかにした。ただ依然として合意はないという。
EUのボレル外交安全保障上級代表(外相に相当)によると、ルクセンブルクで開催された閣僚会合では多くの閣僚がロシア産原油の禁輸を支持したが、一部の閣僚は原油禁輸によって「非対称のショック」が生じると述べたという。
一方、ドイツによると、EUはウクライナへの兵器輸送の強化で合意した。
アイルランドのコーブニー外相は「原油が次の制裁措置に盛り込まれるよう、(欧州委は)作業を進めている」と説明。「EUはロシア産原油の輸入に何億ユーロも支出している。この資金が戦争に使われているのは確かだ。資金源を断ち切らなければならない。早ければ早いほど良い」とした。
オランダとリトアニアの外相も、ウクライナへの砲撃をやめさせる手段として、ロシア産原油を標的にすることに前向きだと述べた。
オランダのフックストラ外相は「われわれはエネルギーを含む全ての他の(制裁)措置を検討している」と説明した。
ボレル氏は「石油とガスに対する制裁も含め、協議の対象から外されているものは何もない」とした。
こうした中、EUは11日午後に石油輸出国機構(OPEC)との会合をウィーンで開催し、増産を要求した。
OPEC側は現在および今後の制裁などで日量700万バレル以上のロシア産原油が失われる可能性があり、「このような規模の喪失を補うのはほぼ不可能」と指摘。現在の非常に不安定な市場はOPECがコントロールできない「ファンダメンタルズ(基礎的条件)ではない要因」の結果とし、OPECがこれ以上の増産を行わないことを示唆したという。