[ロンドン 11日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)会議傘下の金融安定理事会(FSB)は、気候変動に関連する企業の情報開示ルールの策定を複数の機関が進めていることについて、取り組みを加速し市場の分断を招く差異を回避すべきだと指摘した。
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、英国などの導入に向けて一連の「ベースライン」の国際基準を2023年初頭までに取りまとめようとしている。
欧州連合(EU)は、来月までに5万社の企業を対象とした、より包括的な独自の開示基準を完成させることを目指す。EUの基準は、ISSBよりもさらに踏み込み、企業が環境に与える影響を詳細に網羅し、社会問題やガバナンスの問題も独自の基準でカバーする計画だ。
米国証券取引委員会(SEC)も気候関連の情報開示を提案している。
FSBのクノット議長(オランダ中央銀行総裁)はG20財務相に宛てた書簡で、情報開示の推進は、市場の「有害な断片化」を回避して世界各国で企業を比較できるようにする、またとない機会を提供すると指摘。「世界共通の基準と各国・地域の管轄区域固有の要件との間の相互運用性が不可欠だ。枠組みが固まり調整が困難になる前に早期かつ確実に組み込む必要がある」と述べた。
欧州中央銀行(ECB)や国際通貨基金(IMF)も同様な見解を示している。