[キーウ 24日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、高官を相次ぎ解任した。欧州連合(EU)加盟を目指すゼレンスキー大統領は汚職対策を進めており、今後数日間でさらに決定が行われるとみられている。
大統領府はティモシェンコ副長官の辞表を受理したと発表した。理由は明らかにされていない。
33歳のティモシェンコ氏はゼレンスキー大統領の選挙戦に携わり、2019年から大統領府副長官を務めていた。ロシアによる侵攻時に複数のスポーツカーを運転していたとして国内メディアから批判されていたが、同氏は不正を否定している。
ウクライナ検察もシモネンコ副検事総長を解任したと発表した。正月にスペインで10日間の休暇を家族と過ごしていたとメディアで報道されていた。
国防省のシャポワロフ次官は食料品を高額で購入していたとの報道を受けて辞表を提出した。同省は、疑惑は事実無根だが、同氏の辞任は信頼維持に役立つ「価値ある行為だ」と述べた。
ゼレンスキー大統領は「国内問題の解消に当たっており、今後も対処する」と強調した。
米議会は、ウクライナ政府による汚職対策の強化を評価。米国は今後も同国への軍事・人道支援を継続すると表明した。
このほか、ドニエプロペトロフスク州、ザポロジエ州、キーウ州、スムイ州、ヘルソン州の知事が退任することも明らかになった。
首都キーウ(キエフ)在住の政治アナリスト、ウォロディミル・フェセンコ氏は、一部の人事は以前から計画されていたものの、ここにきてマイナスのニュースが続いたことで動きが加速したと指摘。「汚職対策の強化であると同時に、批判的な報道に対するゼレンスキー氏の反応でもある」と述べた。
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