[国際連合 6日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は6日、国連総会で今年の課題について演説し、化石燃料業界に温暖化ガス排出を実質ゼロにする「ネットゼロ」の取り組みを強く求めるとともに、ウクライナを巡り世界が「より広範な戦争」に向かっていると警鐘を鳴らした。
「生産を拡大し、巨額の利益を得ようと躍起になっている化石燃料生産者とその支援者」に対し、「全事業を対象に2025年、30年の目標を設定し、ネットゼロへの確かな道筋を立てられないのであれば、事業に携わるべきでない」と訴えた。
今月24日で1年を迎えるロシアのウクライナ侵攻を巡っては「ウクライナの人々に計り知れない苦しみを与え、世界的に深い影響を及ぼしている」と指摘。その上で「平和の望みは薄れる一方だが、一段の激化と流血の可能性は高まり続けている」とし、世界が無意識ではなくはっきりと自覚してより広範な戦争に向かうのを恐れているとした。
世界の金融システムについては、途上国の発言力を強める取り組みを求め、脆弱な国の救済や債務再編を含む新たな債務の枠組みが必要だと訴えた。