[キーウ 10日 ロイター] - ウクライナでは10日、首都キーウを含む各地でロシア軍のミサイル攻撃があり、エネルギーインフラが損傷し全国で緊急停電が実施されている。
ウクライナ空軍は、ロシアが巡航ミサイル71発を発射し、うち61発を撃墜したと発表した。また地元当局によると、首都キーウ(キエフ)を含む全国で爆発が起きた。
南東部のザポロジエには1時間の間に少なくとも17発のミサイルが撃ち込まれた。昨年2月の侵攻開始以降、最も激しい攻撃(地元当局者)という。
国営電力会社ウクルエネルゴによると、東部、南部、西部で発電所や送電施設が昨夜から断続的にドローン(無人機)やミサイルの攻撃を受けた。
今のところ死者が出たという情報はないが、北東部ハリコフ州知事は8人が負傷したと述べた。
ウクライナ軍司令官は、ロシアの巡航ミサイル「カリブル」2発が黒海から発射され、モルドバと北大西洋条約機構(NATO)加盟国ルーマニアの領空を通過してウクライナに着弾したと指摘した。
首都キーウとその周辺では少なくとも3回の爆発が発生。ミサイルの破片で住宅や車、首都の一部電力網が損傷した。
ゼレンスキー大統領はテレグラムに投稿した動画で「これらミサイルは北大西洋条約機構(NATO)と集団安全保障に対する挑戦だ。阻止することは可能で、阻止しなくてはならないテロ行為だ」と訴えた。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問はツイッターへの投稿で「ロシアは夜間から朝にかけてウクライナの都市を攻撃している」とし、ウクライナへの長距離ミサイルや戦闘機などの供給を巡り迅速な決断を下すよう各国に促した。
ルーマニア国防省は、ミサイルは国境から北東に35キロメートル程度離れたモルドバ領空を飛んだと指摘した。一方、モルドバはミサイルの領空侵犯を確認、ロシア大使を呼び出した。