[シンガポール 24日 ロイター] - 環境保護団体グリーンピースは24日、中国の地方政府が今年第1・四半期に建設を承認した石炭火力発電設備の容量が少なくとも20.45ギガワットに達し、2021年通年を上回ったと表明した。
気候変動問題よりエネルギー安全保障が優先されているという。
中国政府は26年から石炭消費の削減を開始する意向を示しているが、地方政府は21年9月の大規模停電以降、新たな石炭火力発電プロジェクトの承認を急ピッチで加速。昨年の干ばつで水力発電が減少したこともあり、再生可能エネルギーへの依存に慎重な姿勢を強めている。
ただグリーンピースは「中国の配電網に発電容量の不足はない。不足しているのは柔軟性と対応の早さだ」と批判した。
グリーンピースは、中国政府が承認した石炭火力発電設備の容量を公式なプロジェクト文書や環境影響調査を基に推定。昨年は少なくとも90ギガワットが承認されており、中国が「高カーボンへの道」を回避できないリスクがあるとしている。
エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)とグローバルエナジーモニター(GEM)の2月の調査によると、中国は昨年、エネルギー安全保障を考慮して新たに106ギガワットの石炭火力発電設備建設を承認した。前年比4倍、2015年以来最大という。