[ウェリントン 10日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のマフタ外相は10日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と会談し、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を巡るIAEAの報告書を全面的に信頼していると表明した。
同相は会談後に発表した声明で「核実験を巡る太平洋地域の忘れられない経験に注意を向けることも重要だと感じており、放出計画について太平洋地域と有意義な関与を続けるよう直接要請した」と述べた。
IAEAは処理水放出が「国際的な安全基準と合致している」との報告書を発表。グロッシ事務局長は韓国に続き、NZを訪れており、今後、太平洋諸島フォーラムの議長国であるクック諸島のブラウン首相と会談する予定。
太平洋諸島フォーラムには17カ国・地域が加盟。漁業への影響など処理水放出に強い懸念を表明している。
マフタ氏は核実験が過去に太平洋諸国に与えた影響をNZは痛切に理解しているとし、政府として今後も透明性と有意義な対話を重視して処理水放出に対処するよう求めていくと述べた。