[北京 19日 ロイター] - 中国を訪れているケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は19日、米中両国が気候変動問題を喫緊の課題として、地球の気温上昇を産業革命前に比べて摂氏1.5度未満に抑える国際的な取り組みにコミットしていくとの認識で一致したと明らかにした。
ケリー氏は、この日まで3日間にわたった中国側と協議の成果を強調。米国は中国が受け入れられるような新しい枠組みの取り決めを推進していると説明した。
また11月29日からアラブ首長国連邦(UAE)で始まる国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)を前に、中国は米国とこの問題で一層踏み込んだ話し合いを行う方針だと語った。
ケリー氏は韓正国家副主席との会談では、気候変動問題は世界共通の脅威であり、米中間に横たわる他のさまざまな懸案とは切り離して対処すべきだとの見解も伝えている。
ケリー氏は、米中が最近抱える外交問題の難しさを認めた上で、気候変動は大国同士が力を合わせて解決しなければならないと訴えた。さらに「われわれは最善の科学のみに従っており、現在の行動に政治やイデオロギーは一切介在していない」と主張した。