[13日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)は、今後12カ月でコモディティー(商品)への投資で得られるリターンが上昇するとの予想を示した。今後の金融政策や景気後退懸念の緩和を背景としたスポット価格の上昇や、地政学的な供給リスクに対するヘッジ強化を要因としている。
石油銘柄の多いS&P・GSCI商品指数の1年後の商品のリターンを21%と予想。エネルギー銘柄で約31%、工業用金属銘柄で17.8%のリターンを見込んでいる。
GSは12日付けの投資家向けノートで「2024年に商品へのロング投資を推奨する。景気循環的な背景の改善からスポット商品価格がいくらか上昇し、構造的な追い風による大幅なリターンを予想しており、ネガティブな供給ショックに対するヘッジ価値があるとみている」と記した。
S&P・GSCI指数スポット総リターンは今年に入ってから0.8%下落している。
変動が激しい食品、エネルギーを除いたコアインフレ率の鈍化は米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が利上げ局面を終えたことを示唆している。これは国内総生産(GDP)の伸びへの圧力を緩和し、商品需要を支える可能性が高い。
GSによると、石油輸出国機構(OPEC)主導による石油在庫の減少と、主に中国から輸出されるリチウムやレアアースなどの脱炭素化に必要な「グリーンメタル」の需要も商品のリターンを後押しする。