Alex Lawler
[ロンドン 13日 ロイター] - 原油市場の基礎的条件はなお強固で、最近の価格下落は投機的な動きが原因だ──。石油輸出国機構(OPEC)は13日公表した最新の月報で、こうした見解を示した。
9月に1バレル=98ドル近くに達して今年の最高値を記録した原油価格は、足元で82ドル前後まで軟化した。OPECと非加盟産油国でつくる「OPECプラス」による減産や、中東情勢緊迫化にもかかわらず、世界経済の成長や需要を巡る懸念が価格の下げ圧力になっているとみられる。
ただOPECは、中国の堅調な輸入や経済成長の下振れリスクが小さい点などを挙げて、センチメントの悪化が進んでいるものの、市場自体はしっかりしていると主張。「ここ数週間の原油の値下がり傾向は、主として金融市場の投機筋が主導している」と指摘した。
OPECは、今年の世界の石油需要見通しを以前より日量2万バレル引き上げ、246万バレルに設定した。
10月のOPEC加盟国の石油生産量は、イランとアンゴラ、ナイジェリアの増産によって全体でも増加した。