[シンガポール 14日 ロイター] - 米ボストン大学の研究者チームは14日、中国が海外の石炭事業への融資停止を2021年に確約した後も再生可能エネルギー事業向けの資金提供を増やしていないとの報告書を発表した。
中国国家開発銀行(CDB)など開発銀行が21─22年に行った新エネルギー部門向け新規融資はゼロだったとした。
中国の習近平国家主席は21年、海外の石炭事業への資金支援を停止し、途上国での二酸化炭素(CO2)排出量の少ないエネルギー事業に資金提供を増やすと表明していた。
報告書の筆頭執筆者、ボストン大グローバル開発政策センターの非常勤フェロー、セシリア・スプリンガ―氏は、習氏の発表以前から中国は海外石炭事業の支援を減らしていたと指摘。「しかし、公約の残り半分であるグリーン・低炭素エネルギーへの支援加速はまだ動きが固まっていない」とした。
中国国家開発銀と中国輸出入銀行は2000─22年の期間に、エネルギー事業に計331件、総額2250億ドルの融資を行ったが、その中で最も大きな割合を占めたのは探鉱・採掘向けだった。また総融資額の4分の3近くが石炭、石油、ガス向けだった。