Gloria Dickie
[ロンドン 14日 ロイター] - 国連は14日公表した報告書で、温室効果ガス排出削減に向けた各国政府の取り組みについて、温暖化の最悪の影響を回避するには不十分だと指摘した。
報告書は9月までに世界各国が提出した最新の排出削減目標(NDC)を分析した。
現在のNDCでは、計画を完全に実施した場合でも2030年までに排出量が10年比で9%増加する見通しという。
19年比では30年までに2%減少する見通しとし、排出量がピークを打つとの見方を示した。ただ、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気温上昇を1.5度以内に抑えるには19年比で43%の排出削減が必要としており、「パリ協定」の目標達成には程遠い状況だ。
国連のグテレス事務総長は、世界の取り組みが「この1年で停滞し、各国の気候計画は科学と著しく乖離している」とし、「必要性と行動の隔たりはかつてなく険しい」と述べた。