[ヨハネスブルグ 4日 ロイター] - 南アフリカのパテル貿易産業競争相は4日、同国が最初の電気自動車(EV)を生産するのは2026年になりそうだとの見通しを明らかにした。
輸送部門の電動化は、低炭素で気候変動に強い経済に向けた「公正なエネルギー移行」計画を支える重要な柱の1つ。 計画では、同国が約束した脱炭素化に寄与するためには輸送部門に2023─27年で1281億万ランド(68億4000万ドル)の投資が必要と推計している。
南アはアフリカ最大の自動車生産拠点で、トヨタ、いすゞ、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツなど世界の大手自動車メーカーを誘致している。
自動車メーカー各社と進めている協議に基づくと、初回生産のEVは限られた数になる見込み。ただパテル氏は、生産は2026─30年に加速するはずだと述べた。また2030年以降、1社が電池生産を開始する見通しを示したが、具体的なブランド名には言及しなかった。
EV生産計画で政府はエネルギー移行を支える手順を説明。それにはインセンティブ、国内市場で生産・販売される自動車用電池の輸入関税の一時的引き下げ、持続可能な燃料源としてのグリーン水素製造の商業化などが含まれる。
欧州連合(EU)と英国のような主要市場で2035年以降、二酸化炭素を排出する自動車の販売が事実上禁じられる。計画は、南ア製自動車の半分近くがこれらの地域に輸出されていることを考えると、その影響は大きいと指摘している。