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米政府、他州へ移動する乳牛に鳥インフル検査義務付け

発行済 2024-04-25 11:33
更新済 2024-04-25 11:37
© Reuters.  4月24日、米政府は、州と州の境界を越えて移動する乳牛に対する高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の検査を29日から義務付けると発表した。写真は米イリノイ州ロックフォー

Tom Polansek

[シカゴ 24日 ロイター] - 米政府は24日、州と州の境界を越えて移動する乳牛に対する高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の検査を29日から義務付けると発表した。鳥インフルエンザの感染拡大による影響は米国内の牛乳供給に及んでおり、連邦政府当局は対策を強化している。

ビルサック農務長官は、国内全ての検査機関と州の獣医師は陽性反応が出た症例を報告しなければならず、検査費用は農務省が負担すると述べた。

米国内での鳥インフルエンザの乳牛への感染は、3月下旬にテキサス州で最初の感染が確認されて以降、8州と33の乳牛群で報告されている。また乳牛と接触した人が陽性反応を示し、結膜炎を発症した症例も報告されている。

アリゾナ州立大学の進化生物学者、マイケル・ウォロビー博士は、新たな情報によると、H5N1ウイルスの乳牛への感染は、2023年の恐らく12月に鳥から牛への単一の感染によって起こったとの見方を示した。

米食品医薬品局(FDA)は23日、一部の低温殺菌牛乳のサンプルから鳥インフルエンザウイルスの粒子が見つかったと報告したが、そうした牛乳は有害なバクテリアやウイルスを死滅させる温度で加熱されているため、人による消費はこれまで通り安全だと説明した。

ビルサック氏は、現時点で入手可能な情報によれば、米国内で供給される牛乳は安全であり、生きたウイルスは検出されていないと話した。

世界保健機関(WHO)の専門家は、輸送される牛の検査は有効と指摘、「牛と一緒に移動するウイルスを抑え込めれば、状況は絶対に改善する」と強調した。

ビルサック氏によると、検査で陽性反応が出た牛は30日間移動を禁止され、陰性反応が出るまで移動できない。鳥インフルエンザに感染した鶏や七面鳥は死に至る場合が多いが、牛は回復するとみられている。

食肉加工業者の業界団体、米食肉協会は農務省と疾病対策センター(CDC)に対し、牛肉が食用として安全であることを確認するとともに、食肉加工労働者を感染から守るための追加検査を実施するよう求めた。農務省は食肉の安全を確信しているとの見解を示した。

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