Nia Williams
[1日 ロイター] - カナダのアルバータ州とバンクーバーを結ぶトランス・マウンテン・パイプラインは拡張プロジェクトが完了し、1日に本格的な輸送を開始した。カナダの産油業者は世界市場へのアクセスが大幅に改善する。
エネルギー規制庁が4月30日に商用運用に最終的な認可を出していた。トランス・マウンテンによると5月半ばにはバンクーバー港でタンカーへの積載が可能になる。
プロジェクトは総工費が340億カナダドル(250億米ドル)で、完成まで12年かかった。パイプラインの拡張によりアルバータからバンクーバーへの原油輸送量は日量89万バレルと従来の3倍近くに増える。
カナダ産原油はこれまで、パイプライン輸送能力の制約により米国産よりも安い価格で輸出されてきたが、米国産との価格差が縮小しそうだ。
世界第4位の産油国であるカナダは今回のプロジェクトで国内総生産(GDP)が押し上げられる見込み。またアジア市場に石油を輸出しやすくなる見通しで、既にアジアの複数の買い手が関心を示している。