[フランクフルト 13日 ロイター] - ユーロ圏の金融規制当局は、米シリコンバレー銀行(SVB)破綻を巡り、影響の波及リスクを注視する必要があるとしつつも、域内銀行への影響は限定的と想定している。
欧州中央銀行(ECB)の規制当局者は、ユーロ圏の銀行には総じて十分な資金があるほか、リスクの高いハイテク新興企業への融資が多かったSVBに比べて、ユーロ圏の銀行の資産は総じて保守的と指摘。
その上で、SVB破綻がユーロ圏の銀行に直接影響するとはみられていないが、米国で大手行に影響が広がり、影響の波及リスクが生じれば状況が変わる恐れがあると述べた。
しかし現時点で、ECBの単一監督委員会は緊急会合を開催する必要性があるとは判断していないという。
こうした中、ドイツ連邦銀行(中央銀行)は13日、米シリコンバレー銀破綻を受けて、国内の銀行と金融市場への影響を分析するため、金融危機対応チームの会合を招集した。報道官がロイターに明らかにした。金融危機対応チームは2008年の金融危機の際に創設されたもので、連銀の理事会に情報提供と勧告を行う。決定権はない。
投資家の間では不安が高まっており、13日の取引ではユーロ圏銀行株が一時7%安、独コメルツ銀行も15%急落した。
ただECBの規制当局者は、トレーディング目的から満期保有目的のポートフォリオへの資産の移行が順調に進んでいると指摘。金利上昇に伴う市場価格の下落を考慮する必要がないと述べた。
また、市場参加者の懸念を反映し、今週のECB理事会での政策決定を巡り、市場は0.25%ポイント利上げの確率を60%織り込んだ。これまでは0.5%ポイント利上げ予想が大勢となっていた。