[10日 ロイター] - 仏自動車大手ルノーは10日、韓国子会社ルノー・コリア・モーターズの株式の34%を中国の吉利汽車に2640億ウォン(2億0700万ドル)で売却すると発表した。自国市場てこ入れや電気自動車(EV)への投資を拡充する。
吉利側との共同発表によると、ルノー・コリアは吉利汽車の傘下企業向けに4540万株を1株5818ウォンで新規発行する。
昨年末時点でルノーのルノー・コリア株式保有比率は80%だった。この残りを保有する韓国のクレジットカード会社サムスン・カードは昨年12月に持ち株売却の意向を発表したが、詳細はその後決まっていない。
吉利汽車とルノーは今年1月、韓国内外向けの新型ハイブリッド車を開発し釜山のルノー工場で生産する提携を発表している。
ルノーはEV競争で先行する米テスラやドイツのフォルクスワーゲン(VW)に追いつくため、利益率向上策や、EV部門と内燃エンジン車部門の分離を軸とする複数年の経営改革に着手。日産自動車への出資引き下げを検討するかもしれないと先週報じられたのも、そうした取り組みの一環とみなされている。
吉利汽車は今回の取引で韓国に足場を築くことになる。韓国の大手EV電池メーカーであるLGエナジー・ソリューション(LGES)、SKイノベーション傘下のSKオン、サムスンSDIにも接近できる。
韓国投資証券のアナリストは「中国勢にとっては韓国で実績を積めば、他の新興国や欧米でEVを販売する助けになり得る」との見方を示した。