[東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日に発表した8月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIは43.9と、前月から2.8ポイント上昇した。上昇は4カ月連続。企業動向関連、雇用関連、家計動向関連全てでDIは上昇した。
内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。8月は7月に比べて新型コロナウイルスの新規感染者数の増加傾向が緩やかになったことを踏まえ、先行きについては「感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しへの期待がみられる」とした。
家計関連動向は前月から2.0ポイント改善した。うちサービス関連では「県民割引やGoToトラベルキャンペーンなどの宿泊補助金制度のおかげで、露天風呂付き客室をはじめ単価の高い部屋の稼働が良い」(北陸)などの声が聞かれた一方、「GoToトラベルキャンペーンのスタートはまずまずだったが、感染者の増加により沖縄方面の取り消しが増え、東京除外も大きく影響している。海外の観光旅行は全く見通しが立たない」(九州)など、地域によって新型コロナの影響が色濃く出たとのコメントもあった。
企業動向関連は前月から3.3ポイント改善したが、上昇幅は前月ほど大きくなかった。自動車関連が好調で、企業からは「売り上げは前年同月の水準には達してはいないが、完成車メーカーが生産を始めたため、3カ月前のどん底であった時期と比べると8割ほど増加した」(東海)などの声が聞かれた。
雇用関連は前月から7.4ポイント改善。「3カ月前の状況から比べると、厳しいながらも少しずつ新型コロナウイルスとの共存に向けて、努力している企業が増えていると感じる」(近畿)という声が聞かれた一方、「観光客やビジネスマンの往来が少ないため、宿泊業は大打撃を受けている。飲食店はランチ客が増加傾向にあるが、求人を出すまでの忙しさにはなっていない」(北海道)と、業種や業界によって状況が異なっている。
2─3カ月先をみる先行き判断DIは42.4で、前月比6.4ポイント上昇した。
(浜田寛子 編集:田中志保)