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高値警戒感から利益確定売り優勢

発行済 2020-12-02 12:16
更新済 2020-12-02 12:21
© Reuters.  高値警戒感から利益確定売り優勢
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[日経平均株価・TOPIX(表)]日経平均;26756.37;-31.17TOPIX;1772.87;+4.49[後場の投資戦略] 一昨日11月30日の当欄で、トヨタ自動車 (T:7203)と米テスラを引き合いに、バリュー株とグロース株という分類はかなり曖昧なものではないかと書いた。

さらに、この議論を分かりにくくするのは、企業の変身だ。

 任天堂 (T:7974)。

ゲーム機メーカーであり、最近は「プラットフォーマー」としても評価されている。

同社の歴史は、1889年(明治22年)、花札の製造に始まる。

その後、100年近く花札やトランプを作り続けてきたが、世の中にコンピューターやパーソナルコンピューター(パソコン)が急速に普及するタイミングを捉え、1970年代に「テレビゲーム」事業を開始。

そして1983年に家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売した。

その後の成長は解説不要だろう。

失礼ながら、花札やトランプなど成長性が高いとは思えない製品を地道に提供し、株式市場では「花札」が呼称だった企業が、あっという間に世界中から注目されるピカピカの先端企業に変身した。

今風に言えば、バリュー株からグロース株へ分類が変わったということか。

 現下、コロナ禍で、非接触や遠隔、居所(いどころ)や移動、食事や働き方、余暇や興行など身近なものにとどまらず、企業経営や行政システムに至るまで、あらゆる分野で急速な変化が生じている。

上述のように、任天堂変身の時代背景にはコンピューター、パソコンの普及があった。

いま、それ以上の時代の変化が進行中なのかもしれない。

それも世界同時かつ不可逆的にだ。

そうした中、第2、第3の任天堂に育つ企業や事業の種は、いたる所で芽吹き始めているのだろう。

それを探る作業は、バリュー株・グロース株の議論よりはるかに重要な気もする。

この件、もう少し考えを進めたいが、例によって紙面の都合で次の機会に回す。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。

前場は買い先行で始まった後は利益確定売りに押されたが、昨日の日経平均が350円を超す上げとなった後ということもあり、市場では健全な値動きとして冷静に受け止める向きが多く、下値では押し目買いも見られた。

一方、ここから上値を追うには材料不足との見方もあり、積極的に買い上がる動きは乏しく、次第に様子見ムードが広がる可能性もありそうだ。

(小山 眞一)

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