日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNI:>
前場終値 9044.39 -181.61 前場終値 9040 -180
寄り付き 9098.86 寄り付き 9090
安値/高値 9016.51─9105.89 安値/高値 9010─9110
出来高(万株) 62988 出来高(単位) 30675
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 8日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は続落。一時、前日比20
0円を超える下落となった。欧州銀行の健全性をめぐる懸念が再燃したことを受けて欧米
株が下落、円が対ドルで15年ぶり高値を更新し輸出株を中心に売りが先行した。全体的
にリスク警戒感が広がっており、7月機械受注が事前予測を大きく上回ったが、相場の下
支え効果は限定的だった。短期筋の先物売りが中心だが、現物株への押し目買いは乏し
い。
前場の東証1部騰落数は、値上がり146銘柄に対し値下がり1366銘柄、変わらず
が99銘柄だった。東証1部売買代金は4368億円。
8月米雇用統計などで、米景気への過剰な悲観論が後退したのもつかの間、市場は再び
リスク回避ムードが強まっている。ダウ<.DJI>が100ドル以上の下落となった7日の米
株市場の商いは薄く、日本でも薄商いのなか短期筋の先物売りに押さたとみられており、
方向感が強く出たわけではないが、押し目買いは乏しく下値を広げているという。市場で
は「前日の日銀総裁会見などで、円高継続との見方が多くなっている。押し目が入らない
だけでなく早めの手じまいをする投資家も多そうだ」(国内投信ストラテジスト)との声
が出ていた。
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が欧州の主要銀行を対象に最近実施され
た健全性審査(ストレステスト)で、一部銀行はソブリン債の保有高を実態よりも少なく
申告していたと報道したことが欧米株式市場でも嫌気され株価は下落、為替市場でも対ユ
ーロ、対ドルで円高が進んだ。
ドイツの7月鉱工業受注指数が前月比2.2%低下と2009年2月以来の大幅な低下
となったことも、リスク回避の動きにつながった。
欧州銀行に関するWSJの報道は前日の東京市場の取引時間にすでに流れていたが、市
場では「ドルは対円では15年ぶりの安値水準に下落するなど一段と円高が進んでおり、
織り込み済みとはいかない」(国内証券マーケットアナリスト)との声が出ている。
白川方明日銀総裁は8日、衆議院財務金融委員会での答弁で、前日の決定会合で「適時
適切な政策対応を行っていく」と表明した背景について、「日本経済の先行きや下振れリ
スクをより注意する局面」との認識を示したうえで「下振れリスクが顕在化すれば、追加
措置の構えだ」と説明した。しかし、ドル/円の反応は鈍く、株価の戻りも弱かった。
地合いが悪化するなかではファイナンス銘柄への反応はネガティブだ。ユニ・チャーム
<8113.T>が大幅安。同社は7日、取締役会で総額805億円を上限とするユーロ円建て転
換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を決議。「ファイナンスに意外感がある」(外
資系証券)とされ、潜在的な希薄化懸念から売りが先行している。
アンリツ<6754.T>も下落した。同社は7日、2015年満期ユーロ円建て転換社債型新
株予約権付社債(CB)の発行を決議した。発行総額は100億円。
(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)