[北京 11日 ロイター] - 中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は、地方銀行の預金が凍結された問題で、河南省と安徽省の当局が銀行に代わり顧客に預金を払い戻すと発表した。週末には預金凍結に抗議するデモ参加者が警備員と衝突する異例の事態となっており、預金者の怒りを鎮める狙いがある。
銀保監会の地方支部の通知によると、払い戻しは15日から複数回に分けて行う。
10日には中国人民銀行(中央銀行)鄭州支店の前に約1000人が集結し、預金凍結への対応を求めて抗議活動を行った。デモ参加者は警備員ともみ合いになり、2カ月前から続いているデモで最も激しい衝突が起きた。
同省の複数の銀行は4月に一般市民の預金を凍結。中国メディアは凍結額は15億ドルに上る可能性もあると報じていた。詐欺の疑いがあるとして捜査が行われている。
10日の微信(ウィーチャット)投稿によると、地元警察はこの問題で複数の容疑者らを拘束し、関連の資金を凍結。容疑者はグループ企業を介して省内の複数の銀行を事実上の管理下に置いていた。
この犯罪集団は第3者の金融商品プラットフォームや自分たちで立ち上げた企業を使い、預金を集めたり金融商品を販売していた。その上で架空の融資を組んで資金を違法に移動したという。
銀保監会の支部によると、禹州新民生村鎮銀行を含む地元銀行で5万元(7429.86ドル)未満の預金を持つ顧客に払い戻しを行う。安徽省では河南にある銀行と関係のある固鎮新淮河村鎮銀行の預金を払い戻す。