[シドニー/香港 29日 ロイター] - 中国企業は本土以外の市場に株式を上場する際に、規制当局からの承認を希望するタイミングで受けることが難しくなっている。新たな規則の下で上場申請に対する審査が厳しくなっているためだ。
公式データによると、中国証券監督管理委員会(CSRC)が今年3月31日に新たな上場規則を施行して以降、香港や米国など本土以外の市場に株式を上場した中国企業は皆無だ。
過去3年間にわたる民間企業に対する前代未聞の厳しい取り締まりの動きは和らぎ、中国政府は景気のてこ入れを目指している。しかし本土外上場が止まっている現状は、本土外での資金調達を計画している中国企業が直面する試練が大きくなっていることを浮き彫りにしている。
開示情報によると、中国の証券当局は6月15日時点で14社から本土以外への上場申請を受理、当初の申請に不備のあった38社から追加書類の提出を待っている。これら52社のうち43社が香港、9社が米国に上場する計画だ。
これまでに自動運転技術会社の知行汽車科技(蘇州)と食品会社の十月稲田集団の2社のみが香港への上場申請手続きを完了したが、両社ともまだ上場には至っていない。
香港を拠点とする資本市場担当弁護士の話では、新規則の下では本土外への上場申請がCSRCから承認されるまでの期間が以前の2─3カ月から最低6カ月に延びた。本土外上場が認められるのは特定業種の企業に限られているという。
あるバンカーは、CSRCは承認の最終決定を下す前に他の監督機関からのコメントも必要としており、承認プロセスが「ブラックボックス化」していると指摘。大半の案件は手続きのどの部分が停滞しているかも不明だという。